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スペック(技術仕様)廃止について  ~連載 Bluetooth Updates 第4回~

Posted by TUV Rheinland Japan on 2022/09/09 17:07:29
TUV Rheinland Japan

Bluetooth Updatesでは、Bluetoothに関する情報を専門家がわかりやすく紹介します。今回はスペックの廃止プロセスについて解説します。

Bluetooth SIG は、Bluetooth技術仕様のメリットでもある製品間の高い相互接続性品質を保つため、メンバーに最新バージョンのスペックの使用を推奨しています。そのため、リリースから時間の経った古いバージョンのスペックはメンテナンスを終了し、スペック廃止のプロセスに入ります。
廃止スペックの対象は、コア/プロトコル/プロファイル/サービス、等のすべての技術仕様です。それぞれに割り当てられたスペック毎のバージョンで管理されます。

廃止プロセスは2ステップで構成されます。(Withdrawal以降、該当スペックは使用禁止となります)

 

TUV-Rheinland-JP-Bluetooth-Withdrawal-Process-Image-JA

廃止スペックに関するBluetooth SIGのリンクを以下に添付します。(ログインが必要です)
仕様ポートフォリオ改善プログラム

1.制約事項について
2つの廃止プロセスの制約事項を以下の表にまとめました。

項目 Deprecation (廃止移行期間) Withdrawal (完全使用禁止)
新規設計認証 不可 不可
新規製品登録 可能 不可
派生製品の追加登録 可能 不可
サブセットの作成 不可 不可
登録済製品の販売 可能 可能

 

2.廃止スペックの確認方法について
組み込むデザイン(QDID)が廃止スペックに該当するとき、Launch Studioで以下の様な警告が表示されます。

                        TUV-Rheinland-JP-Bluetooth-Withdrawal-Notification-Image-JA

                           [引用: Bluetooth.com]

廃止スペックの確認方法は、まず以下のリンクよりBluetooth SIG の「Specifications and Test Documents List」 ページを開きます。

                          TUV-Rheinland-JP-Bluetooth-SIG-Specification-and-Test-Documents-List-Image-EN
                         [引用: Bluetooth.com]

   ご希望の条件を “Status”から選択、サーチウィンドウにスペック名を記入して検索します。
                         TUV-Rheinland-JP-Bluetooth-SIG-Spec-Search-Image-EN
                         [引用: Bluetooth.com]

3.注意点、よくあるご質問
廃止スペックは回避策がありません。対策には、廃止スペックに該当しないデザインを選択し、新規Declaration IDを購入して新たな製品登録(設計認証)が必要です。


本件に関して、お客様からのよくあるご質問を以下に記載します。

Q1:サブセット機能を使って不要なプロファイルを取り除くことは可能でしょうか?
A1:サブセット機能を使って廃止スペックに該当するデザインを取り除くことはできません。サブセットでは、紐付けされている元の製品登録(Declaration ID)のデザイン内容を変更することはできません。(サブセットは、製品登録に含まれるデザインで使用しないプロファイルの宣言用に作成するので、目的が異なります)

 

Q2:参照する認証済End Productの中に、最終製品で使用しないプロファイルが廃止スペックに該当する場合、この認証済End Product を使用することはできないのでしょうか?
A2:認証済End Product(あるいはSubsystem)に含まれるデザイン(コア/プロトコル/プロファイル/サービス)の1つでも廃止スペックに該当すると、そのEnd Product (Subsystem)全体に廃止スペックが適用されます。そのため、たとえ廃止スペックに該当するプロファイルを使用しなくても、そのEnd Productを使用することはできません。

 

Q3:製品登録済のデザインに派生製品の追加登録の予定がありますが、追加予定日がWithdrawalより先の日付です。何か対策はありますか?
A3:派生製品の追加登録はWithdrawal前に完了させる必要があります。Withdrawal後は新規登録料を支払いDeclaration IDを購入し、新たな認証プロセス(新規製品登録)を完了させる必要があります。

 

Q4:廃止スペックに該当するデザインを除いて新たに再認証したいのですが、元のデザインで参照していた認証済Component Productにも廃止スペックが含まれています。どうすればいいでしょうか?
A4:参照するComponent Product により対策が異なります。個別対応になりますので、テュフ ラインランドにお気軽にご相談ください。

 

テュフ ラインランド ジャパンには、Bluetooth SIG から正式に認定を受けた 「認証コンサルタント(BQC:Bluetooth Qualification Consultant)」が在籍しています。SIG の認証責任者は、認証コンサルタントに対しオンライン会議で定期的に認証プロセスの教育とアップデートを行っています。日本からこのオンライン会議に参加し、最新認証プロセス情報を習得しているのはテュフ ラインランド ジャパンだけです。

 

お問い合わせ:カスタマーサービス(TEL: 045-470-1850 E-Mail: info@jpn.tuv.com


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更新日 : 11/14/2022

Topics: 通信機器, Bluetooth, tuv.communication, 無線, IT機器