本ブログでは、テュフ ラインランド ジャパンが提供する「太陽光発電所・蓄電所向け技術評価」に関する情報を、専門家がわかりやすく解説します。今回は太陽光発電所の設備不具合の原因調査、修繕・再発防止策評価についてご紹介します。
多発する設備不具合とRCAの必要性
近年、台風や豪雨などの自然災害が多発し、太陽電池モジュールの飛散・破損や架台・杭の損傷などさまざまな設備不具合が太陽光発電所設備で発生しています。また、設備不具合は、設計と実際の施工状態の違いや施工時の取り付けミス、設備の経年劣化、保守・管理上の問題など、複数の要因が関係している場合もあります。
そのため不具合が発生した際には、単に設備を修繕するだけでなく「なぜ不具合が発生したのか」という根本原因(Root Cause)を分析し、その原因に応じた適切な修繕・再発防止策の検討が必要です。同時にその分析や評価対策は、プロジェクト関係者とは独立した第三者検査機関の専門家による多角的な調査が有効です。
本記事では、実際の太陽光発電所で確認された設備不具合の事例を元に、第三者検査機関による技術評価のポイントをトピックごとにご紹介します。
トピック1:主な設備不具合の現状調査
自然災害による損傷および設計・施工や設備の維持管理に起因するさまざまな不具合が確認されることがあります。
代表的なものとして、以下が挙げられます。
• 強風・台風による太陽電池モジュールの飛散・破損
• モジュールを固定するクランプの脱落・破損
• クランプの取り付け位置や施工方法の不備
• 地面の崩れや浸食による架台・杭の傾斜
• ケーブルの地絡や損傷
• 太陽電池モジュールフレームの破損
• 雑草・樹木による遮光や設備への影響
• フェンスの破損
• PCSなどの設備における腐食・錆
• 遠隔監視システムの通信不良
これらの不具合は、単一の原因ではなく、自然災害、設計、施工、設備仕様、経年劣化、保守・管理など、複数の要因が組み合わさって発生する場合があります。どのような要因が組み合わさっているかを網羅的に把握することは容易ではありませんが、原因を正しく捉えなければ根本的な解決には至りません。
トピック2 不具合と原因調査
太陽光発電所での不具合が確認された場合に重要なことは、単に「壊れている」という状態を把握することだけではありません。その不具合の発生原因を明らかにすることが、適切な修繕計画や再発防止につながります。
例えば、太陽電池モジュールの飛散やクランプの脱落についてはクランプ自体の破損だけでなく、設計図面と実際の施工状態との違いやクランプの取り付け方法に問題がないかなどを確認する必要があります。
そのため、現地調査に加えて設計図面、施工資料、メーカーの仕様・設置マニュアル、過去の事故・修繕履歴、保守記録などを確認し、専門家による不具合の発生原因の多角的な調査が必要です。
トピック3 原因に応じた修繕・再発防止策検討
原因把握の後は、その原因を解消するための修繕計画や再発防止策を検討します。例えば、固定部材の破損や施工方法に問題が確認された場合には、部材の交換、適切な固定方法への変更や固定強化策など、再発を防ぐ対策の検討が必要です。
また修繕計画が作成されている場合は、第三者の立場から修繕方法が不具合の原因に対して適切か、長期的な安全性を確保できるかといった観点から技術的な妥当性を評価します。
さらに修繕後には必要に応じて現地調査を実施し、計画どおりに修繕されているか設備が適切な状態となっているかを確認します。また修繕から半年、一年後などにフォローアップの現地調査を実施し修繕個所の状況確認や再発リスクの可能性について評価します。
トピック4 火災などの二次的なリスクの評価
設備不具合によっては設備の損傷だけでなく、火災などの二次的なリスクにつながる可能性があります。
例えば太陽電池モジュール、DCケーブル、コネクター、接続箱・集電箱などでは、施工不良や損傷、経年劣化で異常発熱やアーク放電が発生する可能性があります。
そのため設備の状態を確認するだけでなく、確認された不具合の将来的なリスクにつながる可能性の有無についても評価することが重要です。
必要に応じてサーモグラフィによる異常発熱の確認や電気測定、目視点検などを組み合わせ設備ごとのリスクに応じた点検・保守対策を検討します。
第三者による技術評価で、原因から対策までをサポート
テュフ ラインランド ジャパンは、第三者検査機関として現地調査や関連資料の確認を通じた不具合の原因分析(Root Cause Analysis)から修繕計画の技術的評価、修繕後の現地確認まで一連の技術評価を実施しています。
「太陽光発電所の設備不具合」に関するご相談、詳細はお問い合わせください。
お問い合わせ:カスタマーサービス(TEL: 045-470-1850 E-Mail: info@jpn.tuv.com)
< 太陽光発電所・蓄電所向け技術評価解説 >
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更新日:10/7/2026