本ブログでは、テュフ ラインランド ジャパンが提供する「太陽光発電所・蓄電所向け技術評価」に関する情報を、専門家がわかりやすく解説します。今回は屋根置き型太陽光発電設備(産業用)における安全性評価についてご紹介します。

屋根置き型太陽光発電設備(産業用)における安全性評価
近年、再生可能エネルギーの活用が注目される中、建物の屋根を活用した「屋根置き型太陽光発電設備」が多くの企業・施設で導入されています。テュフ ラインランド ジャパンでは、こうした太陽光発電システムをより安全かつ効率的に運用いただくために、第三者視点による安全性評価サービスを提供しています。
屋根置き型太陽光発電設備とは
工場やオフィスビル、商業施設、住宅などの屋根に設置する太陽光発電システムで、最大の特徴は発電した電力をそのまま建物内で使用(自家消費)できることです。自家消費型の太陽光発電は、以下のメリットから急速に導入が進んでいます。
- 電力購入コストの削減
- 災害時の非常用電源としての活用
- 脱炭素経営への貢献
さらに、近年の技術進化により、太陽光パネルの軽量化・高耐久化が進み、風や積雪、地震といった自然環境への耐性も強化されています。また、電気系統における過電流・漏電保護機能の強化により、火災や感電といったリスクも低減しています。
設備安全性確保の重要性
太陽光発電は多くのメリットがありますが、適切な設置とメンテナンスが不十分な場合には事故につながる可能性もあります。
過去に報告された主な事故として以下のような事例が挙げられます。
- 火災事故:配線不良による過熱が原因。設置ミスや定期点検の不足が要因とされる。
- 感電事故:電気系統の不具合により作業員が感電。保守体制の不備が要因とされる。
- 落下事故:強風で固定が不十分だったパネルが落下。施工時の安全確認不足が要因とされる。
このような事態を防ぐためにも定期的なメンテナンスの実施とともに、懸念がある場合には第三者による安全評価もご検討ください。
テュフ ラインランド ジャパンの安全性評価サービス
テュフ ラインランド ジャパンでは、建設中・稼働中の屋根置き型太陽光発電設備におけるリスク低減を目的とした第三者安全性評価サービスを提供しています。
主に以下の観点における机上評価、並びに1日の現地調査を実施します。
システムおよび設計評価
- 設計書類の整合性確認(結線図、アレイ配置図 など)
- ストリング電圧範囲と地域気温を加味した安全性検証
- PCS(パワーコンディショナー)の仕様確認
- 定期メンテナンス体制やO&M(運用・保守)計画の整備状況
消防関連評価
- 設置不可エリアや消防活動エリアの確認
- 機器本体への適切な表示の確認(発電中警告表示など)
屋根置き型太陽光発電設備の導入は、コスト削減と環境配慮を両立できる有効な手段です。一方で、システムを長く・安全に活用していくためには、設計から運用、保守に至るまでの総合的な安全対策が求められます。
テュフ ラインランド ジャパンは、太陽光発電設備における豊富な知見と第三者の視点から、お客様の設備が安全に稼働するよう評価とアドバイスをいたします。
「屋根置き型太陽光発電設備(産業用)における安全性評価」に関するご相談、詳細はお問い合わせください。
お問い合わせ:カスタマーサービス(TEL: 045-470-1850 E-Mail: info@jpn.tuv.com)
< 太陽光発電所・蓄電所向け技術評価解説 >
太陽光発電所・蓄電所向け技術評価解説では、太陽光発電所・蓄電所に関するテュフ ラインランド ジャパンにおける評価サービスを、専門家がわかりやすく紹介します。
・太陽光発電所における再調達価額評価 ―評価解説 vol.2―
・屋根置き型太陽光発電設備(産業用)における安全性評価 ―評価解説 vol.3―
・反射光評価 ―評価解説 vol.4―
・蓄電所の騒音評価|BESS開発時に考慮すべき環境基準と騒音規制法の基礎知識 ―評価解説 vol.5―
・系統用蓄電池の騒音対策|騒音評価、騒音シミュレーション ―評価解説 vol.6―
・系統用蓄電池 レンダー向け技術デューデリジェンス ―太陽光発電所・蓄電所向け技術評価解説 vol.7―
・BESS Technical Due Diligence for Lenders | Solar & ESS Project Evaluation
更新日:9/8/2025

