テュフ ラインランド ジャパンは、テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）という安全資格認証制度を2002年から導入しています。この制度は、安全エンジニアの教育・育成、安全設計に必要な知識の伝授、それらの安全技術の普及をとおして事故の低減および事業効率化をサポートすることを目的としています。
今回は、2015年にテュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）資格を取得された、株式会社ニコン 生産本部 品質管理室 長谷川勉様にインタビューしました。長谷川様は、テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）資格保持者として、製品の安全性評価やリスクアセスメントの構造評価、社内教育に尽力されています。
― ― ― 現在どのような業務を担当されていますか。
現在は、ニコン全社の製品の安全設計基準を作成・制定し、また安全設計の教育、社内コンサルティングなどを担当しています。市場に出る製品だけでなく、社内の生産設備の安全設計についても、相談を受けています。
教育にも力を入れています。当社は、産業用機械から民生品まで生産していますので、設計部門、品質管理部門向けの講習会を立ち上げ、講師を務めています。昨年来のコロナ禍で、相手の顔が見えないオンラインセミナーとなり、反応がわかりずらく苦労しています。
株式会社ニコン 長谷川 勉 様
― ― ― テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）はどのようなきっかけで取得されましたか。
現在は設計の実務を行っていませんが、2年半前まで、事業部門で産業用機械の設計に足掛け25年ほど関わってきました。そこで知識や経験を積み重ねましたが、自分にはどれくらいの力量があるのか分からず、それを試すために試験を受けました。
そもそものきっかけとしては、事業部門と品質管理部門の二束のわらじを履いていた頃、事業部門の後任者に自信を付けてもらうためTAAの試験を受けてもらおうと考え、上司に承認を取ろうとしたところ、「後任者に受けてもらうのであれば、まず手本を…」を促されたことです。私も後任者もTAAを取得しましたので、結果的にはよい道筋になったのかなと思っています。
― ― ― テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）トレーニング、また試験はいかがでしたか。
座学、グループディスカッションは、これまで自分が身に着けたことの復習となり、再確認できたことが多くありました。またグループディスカッションでは、他社のエンジニアの方々の考え方を聞くことができ、知識を吸収でき、充実していました。
― ― ― TAA資格取得前と後で、機械安全に対する考え方に変化はありましたか。
製品設計を行っていましたので、どうしても設計者の立場になって、「これで大丈夫だろう、これ以上は無理では」と判断が甘くなってしまうことがあったかもしれません。そして、テュフ ラインランドさんの審査で指摘を受けることもありました。
その後、テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）取得をとおして、中立的な立場で、厳しく判断ができるようになりました。テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）保持者として、審査官として、責任感が出てきたように思います。そのため、設計者から煙たがられているようですが…。
テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）資格を取得されたエンジニアの方々は、包括的な機械・電気安全のエキスパートとして、また個別装置の安全設計やシステムインテグレータ・製品安全審査等の分野でその知識を活かしています。
― ― ―テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）トレーニングで得た知識、またテュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）資格をどのように活用されていますか。
先ほども申し上げたとおり、製品の安全性評価やリスクアセスメントの妥当性評価、社内教育を行っていますが、テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）保持者が行う評価や教育という点に、意味があります。
また、対外的にも、テュフ ラインランドの資格であるテュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）保持者が、製品の安全性をチェックしているということで、安心していただけています。
― ― ―テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）の情報交換会が年に2回開催されています。情報交換会の内容・グループディスカッションは、日頃の活動にどのように役に立っていますか？
安全設計では、新しい基準や法規などの情報収集が重要な業務だと思っています。情報交換会では、テュフ ラインランドより最新の情報が提供されますし、テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）同士のグループディスカッションでは、いろいろな視点、解釈に触れることができますので、非常に勉強になります。
― ― ― これからテュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）トレーニングへ参加する方へメッセージをお願いします。
私は、長年、製品安全に関する業務に携わってきましたが、そこで蓄積した知識や技術がどの程度のレベルなのか、自分では判断しきれない部分がありました。テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）トレーニング、試験をとおして、客観的に判断し、認めてもらうことができました。
また、第三者による判断、認定であるテュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）の資格を取得することで、今後の設計や審査に、より自信もって臨めることになりますので、挑戦されると良いと思います。テュフ ラインランドからもテュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）の情報をより積極的に出してもらえると、トレーニング参加を迷っている方に役立つのではないでしょうか。
長谷川様、本日はお時間をいただきありがとうございました。
（オンラインでインタビューを実施しました）
＜参考リンク – テュフ ラインランド ジャパン 公式Blog＞
- 現場での活用と最強のネットワーク構築の礎【テュフ機械安全アドバイザーインタビュー2024】
- 産業用装置の安全規格適合をスムーズに【テュフ機械安全アドバイザー情報交換会2023】
- テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）資格保持者として、製品の安全性を厳しく審査。安全設計の教育にも尽力【テュフ機械安全アドバイザーインタビュー2022】
- 国際的なTAA資格の提示により、欧州はじめ海外の方々からも高い信頼を【テュフ機械安全アドバイザーインタビュー2022】
- ロールプレイをとおして第三者視点での審査を経験 - テュフ機械安全アドバイザー（旧：TAA）コース開催2021
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更新日 : 2/28/2022
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