テュフ ラインランド ジャパンは、テュフ機械安全アドバイザーという安全資格認証制度を2002年から導入しています。この制度は、安全エンジニアの教育・育成、安全設計に必要な知識の伝授、それらの安全技術の普及をとおして事故の低減および事業効率化をサポートすることを目的としています。
今回は、2022年にテュフ機械安全アドバイザー資格を取得された、株式会社キヤノントッキ Tプロジェクト 担当課長 小林 康信様にインタビューしました。小林様は、テュフ機械安全アドバイザー資格保持者として、設計した装置のリスクアセスメント、お客様独自の安全仕様への対応、安全規格に基づいた安全方策の検討・決定、電気安全設計、安全回路設計、第三者評価への対応に尽力されています。
現在どのような業務を担当されていますか。 次世代装置の開発・設計業務を行っており、特に制御設計を担当しています。一口で制御設計と言っても業務範囲は広く、お客様との仕様協議から始まり、設計、製作、お客様の工場における設置・立ち上げまでを行っています。安全と同様に「ゆりかごから墓場まで」などと表現をされることもあります。 なお設計業務には「安全設計」も含まれており、設計した装置のリスクアセスメント、お客様独自の安全仕様への対応、安全規格に基づいた安全方策の検討・決定、電気安全設計、安全回路設計、第三者評価への対応なども行っています。 |
テュフ機械安全アドバイザーは どのようなきっかけで取得されましたか。 御社より資格をご紹介いただいたことがきっかけでした。これまでは、設計業務を行う中、独学で知識を積み重ねてきましたが、安全規格の意図を正しく解釈し、十分に理解できているか確認する良い機会だと考え挑戦しました。例えるならば、社内では機械安全に関する「無免のF1ドライバー(自称)」でしたが、結果として、テュフ機械安全アドバイザーというスーパーライセンスを取得することができました(笑)。 |
テュフ機械安全アドバイザーの実技、また試験はいかがでしたか。
実技のグループワークは、他社の方と協力し課題に取り組むという内容でした。互いに知識と経験を持って臨んでいますが、バックグラウンドの違いもあり安全規格などに対する解釈は少しずつ異なります。限られた時間の中で互いの意見をすり合わせ解決策を導き出さなければならず、非常にタフでした。しかし一方で、考え方の違いを知るという学びがあり、とてもよい刺激になりました。
筆記試験に関しては、事前にISO 12100、IEC 60204-1、ISO 13849-1などを読み返し勉強しました。平日の帰宅後、また休日を使っての勉強は心身共にハードでしたが、復習、再学習する良い機会になりました。
試験全体としては、安全規格の内容を理解するだけでなく、如何にその本質を読み解いているか、という部分が重視された内容だったと感じました。求められるレベルはかなり高いですが、問題の難易度は適切だったと思います。
テュフ機械安全アドバイザー資格取得前と後で、機械安全に対する考え方に変化はありましたか。 機械安全に対する考え方に変わりはありません。しかし、資格を取得したことにより、これまで積み上げてきた知識や、機械安全への理解が間違っていなかったという自信に繋がりました。 また、テュフ機械安全アドバイザーは、「この人が言っているから大丈夫!」と、周囲から強い信頼を寄せられる資格です。規格は更新されていくため、常に最新情報を取得し、適切に機械安全の対応を行っていけるよう今後も精進しようという想いが一層強くなりました。 |
機械安全アドバイザーの情報交換会が年に2回開催されています。
情報交換会の内容・グループディスカッションは、日頃の活動にどのように役に立っていますか?
業務に関連する各種安全規格の更新状況など、最新情報をまとめて入手でき、事前に今後の安全対策のロードマップを描くことができるようになります。また、他社の認定者とのディスカッションを通してさまざまな視点、解釈に触れることで、さらに機械安全に対しての理解を深めることができます。
他社の認定者とご縁ができるのも、本当にありがたいですね。例えば先日、機器選定での不安箇所があり、ご相談したところ、あっという間に解決することができ非常に助かりました。ご縁を繋いでくださった御社にも、快く相談に乗っていただいた他社の認定者様にも感謝しています。
これから機械安全アドバイザーコースへ参加する方へ メッセージをお願いします。 テュフ機械安全アドバイザーは、まぎれもなく機械安全に対する最上位資格です。合格率から考えても、資格取得は容易ではありません。しかし取得できれば、機械安全における専門家として社内外への強烈なアピールとなり、活躍の場が広がります。 また、資格取得後も定期情報交換会を通して機械安全に対する理解を深めることができ、個人や組織の成長につながると思います。 その他にも、テュフ ラインランド ジャパンによる第三者評価費用の特別割引や、機械安全関連セミナーへの無料参加など魅力的な特典が盛りだくさんですので、ぜひ挑戦されることをお勧めします。 |
キヤノントッキ株式会社 御社の安全目標や、機械安全アドバイザーに期待する役割などについてお話を頂けますか? 私は、安全最優先・労災0を目標に、人を大切にする会社を目指しています。この理想を形にするための1つのピースとして、小林には機械安全の考え方を社内に根付かせて欲しいです。当社の装置に関連する安全規格の表面的な知識だけではなくその意図を理解し、実際にどのように安全を担保するのか、自分たちの言葉で安全文化を作りこんでくれることを期待します。 |
ご協力ありがとうございました。
<参考リンク – テュフ ラインランド ジャパン 公式Blog>
- 現場での活用と最強のネットワーク構築の礎【テュフ機械安全アドバイザーインタビュー2024】
- 産業用装置の安全規格適合をスムーズに【テュフ機械安全アドバイザー情報交換会2023】
- テュフ機械安全アドバイザー(旧:TAA)資格保持者として、製品の安全性を厳しく審査。安全設計の教育にも尽力【テュフ機械安全アドバイザーインタビュー2022】
- 国際的なTAA資格の提示により、欧州はじめ海外の方々からも高い信頼を【テュフ機械安全アドバイザーインタビュー2022】
- ロールプレイをとおして第三者視点での審査を経験 - テュフ機械安全アドバイザー(旧:TAA)コース開催2021
お問い合わせ:カスタマーサービス(TEL: 045-470-1850 E-Mail: info@jpn.tuv.com)
更新日 : 5/24/2024