テュフ ラインランドはConnectivity Standards Alliance(以下、CSA)のMatter認定試験所として、認証やアライアンスに関するご質問や認証試験に関するご相談を多くいただきます。
Matter認証に関するあらゆる疑問・質問にお答えするため、認証試験に関わる専門家が、エンジニアの視点で解説するシリーズ連載(全7回)を開始します。
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このような問題や状況を、専門家が一つ一つ紐解いていきます。シリーズ全体を読んでいただくと、つまずきポイントを回避いただけるように、順を追って説明していきます。
第5、6回は、Matter FastTrack再認証プログラムの「概要と申請プロセス」と「メリットと要件」について、2回にわけて解説します。前回の「概要と申請プロセス」に続き、今回は「メリットとプログラムの要件」について解説します。
Matter FastTrack再認証プログラムのメリットとプログラムの要件
Matter FastTrack再認証プログラム(以下、本プログラム)とは、Connectivity Standard Alliance(以下、CSA)が提供するセルフテスト方式の簡易的な認証申請プロセスです。
本プログラム活用のメリット- 認証コストの削減
Matter FastTrack再認証プログラムでは認証試験費、CSA認証登録費が不要です。そのため、認証プロセスにかかるコストを大幅に削減できます。
- 緊急アップデートの迅速な実施
重要なセキュリティ修正が必要な場合、CSAの承認を待つことなく、申請書類提出後にOTAアップデートを迅速に実施することができます。
- ユーザーエクスペリエンス向上の迅速な対応
相互運用性向上を目的とした修正も本プログラムの対象です。そのため、機能改善を素早く適用することで、ユーザーエクスペリエンスの向上につなげることができます。
本プログラムの要件
本プログラムを適用するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 会員種別
本プログラムを適用できるのは、CSA Promoter会員およびParticipant会員に限定されています。Adopter会員は対象外となりますのでご注意ください。 - 元製品のフルテスト認証取得
本プログラムは「再認証」を目的としています。そのため、元製品は、テュフ ラインランド ジャパンを含む認定試験ラボで実施されたフルテスト等により、すでに認証を取得している必要があります。 - CSA認定トレーニングの受講(毎年1回)
担当者はCSA認定トレーニングを受講し、CSAから「担当者」として認定を受ける必要があります。このトレーニングはCSAまたはCSA認定トレーニング機関で受講できます。また、認定維持のため、担当者は毎年トレーニングを受講する必要があります。
日本国内でのCSA認定トレーニングについて
テュフ ラインランド ジャパンはCSAから本プログラムのトレーニング機関として認定を受けています。日本国内において、日本語でのトレーニングを提供可能です。本トレーニング受講をご希望の方は、テュフ ラインランド ジャパンにお問い合わせください。
次回は「 認証試験ツール(テストハーネス) 」について解説します。
シリーズ連載では、皆様から寄せられる質問の中から特に知っておくべき情報を厳選し、わかりやすくご説明していく予定です。今回の内容に関するご不明点や、具体的な認証試験に関するご質問がございましたら、以下の連絡先までお気軽にお問い合わせください。
関連情報
全7回シリーズ連載中「Matter認証プロセスを徹底解説」
- Matter認証申請の手順
- Matter認証試験の手順
- Matterの仕様書とバージョン
- 実装宣言書(PICS)と実装宣言書作成ツール(PICSツール)
- Matter FastTrack再認証プログラム (1)概要と申請プロセス
- Matter FastTrack再認証プログラム (2)メリットとプログラムの要件 ←今回
スマートホーム標準規格 Matter認証試験 インタビュー
お問い合わせ:カスタマーサービス(TEL:045-470-1850 E-Mail: info@jpn.tuv.com)
更新日 :6/20/2025




