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創立40周年記念連載「お客様とともに」その4 | 社員インタビュー | お客様からの一本の電話がサービス開始のきっかけにも

Posted by TUV Rheinland Japan on 2023/10/12 8:49:17
TUV Rheinland Japan

テュフ ラインランド ジャパンは、2023年3月、創立40周年を迎えました。tuv.communicationでは、社員へのインタビュー、寄稿を通して、お客様に支えられて歩んだ40年を振り返ります。

 

4回目となる今回は、23年にわたり、自動車・鉄道システムの評価・認証に携わってきた中橋 高穂(なかはし たかほ)のインタビューをお届けします。まだ日本にはないサービスでも日本でできることはないか、自分たちがサポートできることはないかと模索し続けた日々でした。

 

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― ― ― 唐突ですが、かなりの車好き、ドイツ好きと聞いています。

子どもの頃から機械が好きで、近所の方から壊れたテレビやラジオをもらい分解して遊んでいました。まだ免許も取れない年齢でバイクや車を好きになり、近くの車屋さんに出入りしていました。修理風景を眺めているうちに車のメカニズムにも興味を持ちましたが、進路は文系で、最初の仕事もエンジニアとは遠いものでした。

 

大学4回生の頃、近所に住むお医者さんが古いBMWを手放すことになり、譲り受けることになりました。自分で修理をするため、日本では手に入らない部品はドイツまで買いに行きました。これがドイツとの出会いです。

 

辞書を引きながらドイツ語の整備書を読み解いていったのが、ドイツ語との出会い(再会)です。学生時代の第二外国語としては全く身につかなかったドイツ語ですが、ドイツ人の知人もでき、いつしかなんとか理解できるようになっていました。


― ― ― テュフ ラインランド ジャパンに入社した頃のことを教えてください。

「ドイツオタク」になって数年が過ぎた頃でした。大阪市内を歩いている時に、テュフ ラインランドのロゴの入ったメルセデスのバンを見かけました。ドイツオタクですのでもちろん「テュフ」は知っていましたが、「日本にテュフ?」と思いながら調べ、テュフ ラインランド ジャパンに履歴書を送りました。面接では「入社しても大好きな車に触れる仕事ではありませんよ。手に付くのは車の油ではなくて、書類の粉ですよ」と言われましたが、入社を決めました。

 

2000年当時の社員数は200名くらいだったと思います。私が所属したモビリティ事業部(当時は運輸・交通部)(*1)は、新横浜本社と西日本地域担当オフィス(大阪オフィス)で活動していました。

 

― ― ― 当時、モビリティ事業部はどのような状況でしたか?

当時は決まったお客様に対して、自動車・自動車部品の欧州型式認証サービスを提供していました。より幅広いお客様にテュフ ラインランドのサービスを知っていただくために、私は営業担当者として採用されました。まだ10名ほどの部署で、半数がドイツ人でした。

 

入社後半年間は新横浜本社で研修を受け、その後大阪オフィス勤務となりました。私は部署初の、そして当時部署唯一の営業担当者でしたので、数年間は日本中を飛び回っていました。

 

日本でできることはないか、自分たちがサポートできることはないか

 

― ― ― お客様からのお問い合わせをきっかけに、日本でも鉄道システムの評価・認証サービスを開始しました。

 

2010年頃、鉄道についてのお問い合わせが入りました。まだ日本では鉄道のサービスは提供していませんでした。ただ、ドイツでは自動車だけでなく、鉄道・航空・船舶のサービスも展開していましたので、ドイツ本社と確認を繰り返しました。そしてお客様のニーズに応えるかたちで、日本でも鉄道システムの評価・認証サービスを開始しました。

 

今までしていなかったことでも、どんな小さなお問い合わせでも、ドイツ本社に問い合わせをしました。日本でできることはないか、自分たちがサポートできることはないかを模索していました。

 

当初は自動車と鉄道システム両方の営業を担当していましたが、徐々にエンジニアへ移行していきました。しばらくして認証検査官の資格を取りました。

 

― ― ― 現在は農林業トラクターの欧州車両型式認証を担当しています。

主にトラクターなどのTカテゴリーの車両型式認証を担当しています。日本ではトラクターは畑でしか見かけないかもしれませんが、欧州では公道も走ります。家から畑まで走ることもあります。日本のメーカーさんのトラクターが欧州の公道を走る際に必要となるナンバープレートを付けるための型式認証をサポートしています。2000年に制定された欧州騒音指令についても、ドイツのテュフ ラインランド LGA Products GmbHからテストエンジニアとして任命され、担当しています。

 

また、現在は、クラシックカーの査定も行っています。クラシックカーは個人的な趣味でもありますが。

 

― ― ― クラシックカー査定では、ドイツ・デュッセルドルフで専門家から研修を。

何十年も前の車を実際どうやって査定するのか、2017年にテュフ ラインランド ドイツ本社の専門部門で研修を受けました。当時そのオフィスは、昔のドイツ国鉄の機関車車庫跡地にある建屋の中にありました。クラシックカーに関わるお店や業者で埋められた建屋の中央には、100台くらいのクラシックカーが並んでいました。古いポルシェやフェラーリをパネル一枚から作り直す、そんなワークショップにも参加しました。

 

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― ― ― お客様との思い出深いエピソードはありますか?

鉄道システムの案件でドイツで試験をすることがありました。もう何年も前の話になりますが、ある年の12月、試験結果について日本のお客様とドイツの検査官とが直接お会いして話をすることになりました。私も通訳を兼ねてお客様と一緒にドイツへ飛びました。日本深夜初のフライトで、02日のドイツ出張です。翌朝9時頃にケルンのテュフ ラインランド本社に到着し、1530まで打ち合わせをし、21時には帰りのフライトに乗りました。

 

フライトまでの少しの時間、お客様とフランクフルトのクリスマスマーケットに立ち寄り、ビールやグリューワインをたくさん飲んでほろ酔い気分で帰国の途についたのを今でも覚えています。

 

― ― ― 電気自動車、自動運転。自動車は機械から電気の世界へ。

自動車は目まぐるしい速さで変化しています。CASEConnectedAutonomous /Automated・Shared & ServicesElectric)という言葉からも分かります。

 

C:自分だけのプライベート空間だった車の中は、「Connected」で外とつながるものに。

A:自分でギアシフトしながら走る楽しみ、車を操る楽しみは、「Autonomous /Automated」で自動運転に。

S:所有する喜びは、「Shared & Services 」でCo2削減に。

E:心地よいエンジンサウンドは、「Electric」で環境にやさしく。

 

これまでの車とこれからの車は別物ですよね。車の楽しみ方は変っていくかもしれませんが、より安全・安心・環境にやさしい新しいモビリティの世界です。

 

お客様のご苦労を少しでも軽減できるようにサポートを

 

電気自動車の 6070%は電気システムといっても過言ではありません。サイバーセキュリティやソフトウェアアップデートなど、新しい規制も多くなりました。ご苦労されているメーカーのご担当者も多いです。規制の内容や要求事項を分かりやすくご説明し、お客様のご苦労を少しでも軽減できるよう認証サポートをしていきたいです。

 

― ― ― この先のテュフ ラインランド ジャパンをどのように想像していますか?

 

先ほどの話と重なりますが、自動車に新しい要件が増えてきています。テュフ ラインランド ジャパンには、例えばサイバーセキュリティの専門部署があり、経験豊富な専門家がいます。変わりゆく自動車を、新しいモビリティをサポートし、世の中に貢献する企業であり続けたいです。

 

*1:モビリティ事業部:現在50名所属。2020年には愛知県知立市にモビリティ技術開発センター(MTC)を開設。

 

中橋 高穂(なかはし たかほ)
テュフ ラインランド ジャパン株式会社
モビリティ事業部 車両技術・型式認証部
課長

2000年、テュフ ラインランド ジャパン入社。現在は、欧州騒音指令対応、Tカテゴリー(トラクターなど)車両型式認証、クラシックカー査定などに従事。関西テクノロジーセンター所属。

 

創立40周年記念連載「お客様とともに」

その1 | 社員インタビュー | バブル崩壊の1991年に来日。滞在が30年を超えたそのワケは
その2 | 社員による寄稿 | 次世代につなぐ製品安全の世界 × ガールズデー
その3 | 社員インタビュー | お客様の考えを聞くことが、今の自分の大切な要素に
その5 | 社員インタビュー | 40年後もお客様に必要とされるパートナーとして

 

お問い合わせ:マーケティング部(E-Mail: pr@jpn.tuv.com

更新日 : 12/08/2023

Topics: tuv.communication