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創立40周年記念連載「お客様とともに」その2 | 社員による寄稿 | 次世代につなぐ製品安全の世界 × ガールズデー

Posted by TUV Rheinland Japan on 2023/06/07 8:21:24
TUV Rheinland Japan

テュフ ラインランド ジャパンは、2023年3月、創立40周年を迎えました。tuv.communicationでは、社員へのインタビュー、寄稿を通して、お客様に支えられて歩んだ40年を振り返ります。

第2回目となる今回は、30年以上にわたり製品安全に携わってきた、製品事業部 製品部 電気製品課 シニアセールスエグゼクティブ 堤 美穂の寄稿を掲載します。多彩な色を放つ「製品安全」の世界とは。もの作りに携わるお客様の熱意、そして世の中に安全な製品を出すことの責任を、今年11年目となるガールズデー(小学5、6年生の女子児童対象のオープンハウスイベント)を通して若い世代に伝えています。

 

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私は幼い頃からアートの世界で仕事をしたいと思っていましたが、紆余曲折を経て、テュフ ラインランド ジャパンで働くことになりました。

「製品安全」という言葉を初めて聞いたのは前職の時でした。当初、その言葉は無味乾燥で色がなく、何の感動もない言葉でした。しかし、あらためて電子基板を見た時に、「美しい」と思ったことを今でも覚えています。緑色の基板が芝生、キャパシターが燃料タンク、家屋のように並ぶ小さな半導体、パターンが道のように広がっていました。街の構造物も人工的に作られたものなので、似て見えても不思議ではありません。

理系ではない私は、電子部品の配列の意味は分かっていませんでした。地味で根気が必要でしたが、数字の積み重ねの謎解きをしていくような検査の仕事は、サポートという立場で見ていても面白く、惹きつけられました。この業界で仕事をするようになり30年以上になりましたが、「製品安全」という言葉はもはや無味乾燥ではなく、いぶし銀のような深みと多彩な色を放つ言葉に思えています。

製品安全の世界は徹底的な理の攻防で成立

今まで、さまざまな新規製品の打ち合わせ、検査に立ち会いをさせていただきました。「電圧は何ボルトですか?」、「どこが一次側ですか?二次側ですか?」、「短絡したらどこが一番危険ですか?」。それに対する回答は、「ここにはFuseが入っています。アクセスするのはサービスマンだけです。沿面距離は・・・、燃焼クラスは・・・、巻き線は・・・、」と、お客様にはお馴染みの会話が飛び交います。

お客様とテュフ ラインランド ジャパンの検査員の間では、論理的な説明が必ず求められます。製品安全の世界が徹底的な理の攻防で成立していることを、そして「安全」は合意をした定義の中でしか成立しないことを、この仕事を通して知ることになりました。お客様が開発された製品は、当社社員がさらに検査をさせていただき、安全性が確認され世の中に出ていきます。社会が許容できるリスクであるかどうかを切磋琢磨して考え抜かないと、その新しい技術の恩恵を受けることは許されない、ということを日々感じています。

製品安全の世界を若い世代に伝える「ガールズデー」

ある時、社内で、女性の理系進学を推進するドイツのイベントを日本でも実施しようという企画がもち上がりました。私もこの企画に参加することになり、製品安全という世界を若い世代に伝えたいと思いました。ヘアドライヤーの検査の講義、試験所の検査設備見学、参加児童でベビーカーの新機能を考えるというワークショップの構成でプログラムを作りました。何かを「作る」ということはいろいろな子ども向けイベントでされているようですが、テュフ ラインランドならではということで新型ベビーカーの「試験」も考えてもらいました。

開発者の皆さまがものづくりの過程で実施されている、製品のリスクアセスメントを行ってもらうのです。子どもの思考は柔軟でした。階段を上り下りできるキャタピラー付きのベビーカー、タブレット端末付きベビーカー、飛べるベビーカー等のアイデアが出てきました。一方で試験を考える段階になると、「ちょっと待ってよ、、、心配だからこの試験を振動試験機でした方がいいね、雨に濡れてもいい材質を考えたいね、IP試験をしたほうがいいね」など、慎重に話し始めました。

誰が使うのか、どこでどのくらい使うのかを考えて、試験のアイデアを考えてもらいました。年1回のイベントで約20人だけのご招待ですが、これまでの10年間で約200人の子どもたちがこの製品安全の世界を体験してくれています。

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ガールズデーの様子 

私にとっても、仕事を通じて知った、もの作りに携わられるお客様の熱意と日々のご尽力、世の中に安全な製品を出すことの責任を、多少なりとも若い世代につないでいくことができる貴重な体験です。

今年はテクノロジーセンターの見学も再開

今年も11回目となるガールズデーを開催します。過去3回はコロナの影響でオンラインになってしまいましたが、今年は試験所への入場制限も緩和され、対面で子どもたちに横浜の試験所(テクノロジーセンター)を紹介する予定です。

テュフ ラインランドが守ってきた「人、技術、環境の調和」のメッセージを伝えられることを今年も楽しみにしています。


「夏休みガールズデー2023」 参加者募集のお知らせ

 

堤 美穂TUV-Rheinland-JP-tuvcom40th-24-Image
テュフ ラインランド ジャパン株式会社
製品事業部 製品部 電気製品課
シニアセールスエグゼクティブ

1993年入社。30年以上にわたり、製品安全に携わる。テクニカルサポート課マネジャー、新サービスのビジネスデベロップメント、グローバルキーアカウントマネジャーを経て、現在電気製品課の営業リーダー。2013年の日本でのガールズデー立ち上げ当初より、中心メンバーとして、若い世代に製品安全の世界を伝えている。

 

 

 

創立40周年記念連載「お客様とともに」

その1 | 社員インタビュー | バブル崩壊の1991年に来日。滞在が30年を超えたそのワケは
その3 | 社員インタビュー | お客様の考えを聞くことが、今の自分の大切な要素に
その4 | 社員インタビュー | お客様からの一本の電話がサービス開始のきっかけにも
その5 | 社員インタビュー | 40年後もお客様に必要とされるパートナーとして

お問い合わせ:マーケティング部(E-Mail: pr@jpn.tuv.com

更新日 : 12/08/2023

Topics: tuv.communication