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創立40周年記念連載「お客様とともに」その3 | 社員インタビュー | お客様の考えを聞くことが、今の自分の大切な要素に

Posted by TUV Rheinland Japan on 2023/08/21 10:59:07
TUV Rheinland Japan

テュフ ラインランド ジャパンは、2023年3月、創立40周年を迎えました。tuv.communicationでは、社員へのインタビュー、寄稿を通して、お客様に支えられて歩んだ40年を振り返ります。

 

第3回目となる今回は、24年にわたり、マネジメントシステムの審査・認証に携わってきた、南里 智(なんり さとし)のインタビューをお届けします。南里は、ISO 9001・ISO 14001 サーティファイヤー(*1)および上級審査員、ISO/IEC 27001主任審査員を務めています。

 

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― ― ― テュフ ラインランド ジャパンに入社した頃のことを教えてください。

1999年、日本でISO 9001、14001の大きな動きがあるなか、知人の紹介もあり、縁あってテュフ ラインランド ジャパンに入社しました。当時の社員数は、現在の半分、200人くらいだったと記憶しています。

 

入社前の4年間、半導体後工程の設備メーカーで営業と検査を担当し、その前の8年間は、香港で電子部品などの物流全般に従事していました。

 

ISOの審査員資格には、経験に応じたテクニカルエリア(審査できる専門分野)があります。私はいくつかの職を経験していましたので、テクニカルエリアが多く、担当できる分野も広くなりました。日本では就職の際、転職回数が多いとマイナスイメージになることもありますが、私の場合はその回数がプラスに働きました。

 

当時、国土交通省が、入札の有利な条件に9001、14001の認証取得を挙げ、大手メーカーも協力会社の選定に同様の条件を挙げるようになっていました。そのような背景もあり、建設業界や大手メーカーの協力会社では認証取得の大きな動きがありました。

― ― ― 当時、システム部は、そして九州オフィスはどのような状況でしたか?

私が入社する数年前、1995年にシステム部が開設され、1997年に正式認可を受けテュフ ラインランド ジャパンとして9001,14001の認証書発行を開始していました。

九州オフィスは福岡市早良区百道浜にあり、海の見えるきれいなオフィスでした。システム部と製品部のみの10人ほどの小さな事業所で、休日にはみんなでBBQをするなどアットホームな雰囲気でした。九州のお客様を対象に福岡のホテルでISOセミナーなどを開催し、当時からお客様との交流もありました。


― ― ― これまで数多くの審査をされてきましたが、特に社会福祉法人の審査が印象に残っているそうですね。

ISO 9001の審査では、顧客要求事項を満たすことが大前提となります。ただ、特別養護老人ホームの場合、顧客(利用者)の要求事項を満たすことが難しいケースも多いのです。事情があって入所されている方々が、「家に帰りたい」と希望されてもそれをかなえることができません。利用者、家族、行政を含め、みんなで考えて協力していく姿勢が重要になります。最適な生活を選び、利用者のクオリティ オブ ライフを上げていきます。審査員としても考えるべきことが多く、忘れられない審査でした。

どの業界の審査でも簡単なものなどありませんが、社会福祉法人や現在担当している病院の審査は、考えさせられることの多い難しい審査と言えるかもしれません。

 

審査を通して、いろいろな考え方を


― ― ― 審査では、現場の方、経営者、いろいろな方の考え方に触れます。

例えば工業系の審査では、生産現場の方と工場を運営する方、両方の方のお話を聞きます。被認証組織ごとに特長があり、それぞれの組織の考え方を知ることができます。自分にとって審査は仕事ではありますが、多くの方のお話を聞くことができる貴重な機会です。今では私の生活の大切な要素となっています。

 

― ― ― お客様にお伝えしたいことはありますか。

マネジメントシステムの話になりますが、規格の要求事項に「リスクと機会」を考慮してください、とあります。リスクを細かく検証し、ピックアップしていくことは大切なことです。ただ、リスクと機会ではなく「機会とリスク」の順番で考えていただくと良いように思います。リスクありきではなく、まずは事業を前向きに進める機会(オポテュニティ)を考え、そのなかでリスクも検証していくと考えが整理しやすくなるのではないでしょうか。まず認証取得を考えていただくのではなく、前向きな事業の機会を考え、そのなかで認証を活用していただければと思います。

 

― ― ― 今後のテュフ ラインランド ジャパンについて、今後の審査について、どのような思いがありますか。

基準(規格、要求事項)は決まっていますが、私は審査や評価には幅があっても良いのではないかと思っています。大手メーカーと小さな町工場、9001や14001の認証取得のために満たすべき要求事項は同じですが、その評価には幅があっても良いと思うのです。例えば、組織によってはすべてを文書化することは難しいかもしれませんよね。テュフ ラインランド ジャパンの審査の目的は、被認証組織が組織的に良くなる、改善していくことですから。

 

*1:サーティファイヤー:他の審査員の審査レポートを確認し、承認。

 

南里 智(なんり さとし)
テュフ ラインランド ジャパン株式会社
システム事業部 マネジメントシステム認証部
ISO 9001・ISO 14001サーティファイヤー・上級審査員。ISO/IEC 27001 主任審査員。RSPO監査、CSR監査なども担当。

1999年、テュフ ラインランド ジャパン入社。九州オフィス所属。多い年には、200日前後の審査を実施。オフィスでは、現地審査前後の文書確認や整理、サーティファイヤーとしての仕事に従事。

 

創立40周年記念連載「お客様とともに」

その1 | 社員インタビュー | バブル崩壊の1991年に来日。滞在が30年を超えたそのワケは
その2 | 社員による寄稿 | 次世代につなぐ製品安全の世界 × ガールズデー

その4 | 社員インタビュー | お客様からの一本の電話がサービス開始のきっかけにも
その5 | 社員インタビュー | 40年後もお客様に必要とされるパートナーとして

お問い合わせ:マーケティング部(E-Mail: pr@jpn.tuv.com

更新日 : 12/08/2023

Topics: tuv.communication