連載「自動車のサイバーセキュリティ」第4回(最終回)
2021年1月、国連国際連合欧州経済委員会(UNECE)は、日本含む該当する国がUN-R155を義務化することを発表しました。これを受け、 新型車は2022年7月から、新車は2024年7月から、UN-R155への適合が必要になります。また、自動車線維持システム(Automated Lane Keeping System:ALKS、以後ALKS)を搭載する自動車は、UN-R157*への適合が必要です。
| UN-R155/UN-R156の適合は2022年7月から必須となります。 適合に関する専門家へのご質問は、お気軽にお問い合わせください。 UN-R155/156関連のセミナを含む自動車の機能安全・サイバーセキュリティトレーニングコース スケジュールはこちら |
UN-R157は従来の機能安全の考え方とともに、サイバーセキュリティの要素も含みます。 今回は、サイバーセキュリティの視点でUN-R157を読み解きたいと 思います。
*UN-R157:高速道路等における運行時に、車両を車線内に保持する機能を有する自動運行装置に関わる基準
UN-R157とは?
UN-R157とは、自動運転車の公道での走行を可能にし、「レベル3」以上の車両自動運転に関して拘束力のある初の国連規則です。
次に、これらの安全要求とサイバーセキュリティとの関係性とアプローチ方法について紹介します。
サイバーセキュリティとの関係性
UN-R157パラグラフ9で、サイバーセキュリティとソフトウェアアップデートの対応を要求しています。この記載から、UN-R155/UN-R156に適合していることを前提にしていることがわかります。サイバー攻撃や脅威、サイバー攻撃に対する脆弱性がシステムの有効性に影響を与えないことや、ソフトウェアの更新手順とその有効性に関する要件を満たすことで、はじめてUN-R157適合のスタート地点に立つといえます。
4回にわけて、UN-R155を中心にサイバーセキュリティに関する規則について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?
UN-R155をはじめとした、これらの国連規則・規格は、サイバーセキュリティ担当者が理解するだけでは不十分です。完成品(自動車)はもちろん、搭載する部品サプライヤーの開発者にも同様の理解と対応を求めています。サイバーセキュリティー管理プロセスに従うことはもちろんのこと、ベースとなるこれらのサイバーセキュリティ規則・規格を理解し、各種対策を講じて開発していく必要に迫られています。
今回のブログが、サイバーセキュリティ視点で規則や規格の対策を行うきっかけになれば幸いです。
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本多 克三 (ほんだ かつみ) |
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シリーズ 自動車のサイバーセキュリティ
第1回 : UN-R155 に適合するには
第2回 : はたしてISO/SAE 21434に適合することが、UN-R155/UN-R156 のCSMS/SUMS認証を取得するための十分条件なのか?
第3回 : ISO/SAE 21434とUN-R155のリスク軽減策で考慮すべき2つの重要点とは
最終回 : サイバーセキュリティの視点で読むUN-R157
番外編:UN-R155/UN-R156の準拠でやってはいけないことーWP29発行の解釈文書のトリセツ
シリーズ UN-R155 サイバーセキュリティとUN-R156 ソフトウェアアップデートの国連規則動向
前編:UN-R155参照範囲の拡大
後編:RxSWINの事実上の義務化
更新日 : 10/8/2026