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RxSWINの事実上の義務化 | 後編 ― UN-R155 サイバーセキュリティとUN-R156 ソフトウェアアップデートの国連規則動向

Posted by TUV Rheinland Japan on 2026/07/07 8:59:59
TUV Rheinland Japan

今回は、以前紹介した5本の解説ブログ、そして、2024年以降の最新アップデート「UN-R155参照範囲の拡大 | 前編 UN-R155 サイバーセキュリティとUN-R156 ソフトウェアアップデートの国連規則動向」を前提として、後編のRxSWINの事実上義務化について解説します。まずは前編からご確認ください。

リンク:UN-R155参照範囲の拡大 | 前編 UN-R155 サイバーセキュリティとUN-R156 ソフトウェアアップデートの国連規則動向


後編:UN-R156.01の改定とRxSWINの事実上の強制化

UN-R156SUMS)の改定(01シリーズ)において、実務上の大きなターニングポイントとなっているのがRxSWIN(型式認証関連ソフトウェア識別番号)の扱いです。

1. 車両への「搭載」と「読み出し」の要件

誤解されやすい点として、RxSWINそのものを車両そのものに搭載することは必須ではありません 。診断機等を用いて、外部から当該車両のRxSWINを読み出し可能な状態であれば、規則上の要件を満たすことができます

2. 「事実上の強制化」の法的根拠(第7.1.4項)

RxSWINの採用が「事実上の強制」と言われる真の理由は、改定案(UN-R156.01)に新設された第7.1.4項にあります

この条項では、「関連する型式認証(UN-R X)に対してRxSWINが割り当てられていない限り、市場に登録された車両に対してソフトウェアアップデートを実行してはならない」と規定されています。つまり、メーカーが特定の規制にRxSWINを採用しないという選択をした場合、その車両はその規制に対するソフトウェアアップデート(OTAを含む)ができなくなることを意味します SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)化が進み、納車後の機能改善、機能追加、セキュリティパッチの適用が不可欠な現代の車両開発において、この規定は「アップデートが必要ならRxSWINの採用は必須」という、実務的な強制力を持っています。

3. なぜRxSWINが不可欠なのか

SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)への移行に伴い、OTA等で車両の性能や特性が動的に変化する現在、当局は透明性をもって「どの車両に、どの認証済みソフトが入っているか」を管理することを求めていると考えます。

今後の導入スケジュール

    • 20287月以降: 新規型式車への適用
    • 20307月以降: 継続生産車(既販車の登録)への適用拡大

まとめ:進化し続ける法規への適応力

UN-R155/156の対応は、CSMS/SUMS認証を取得して終わりではありません。今回解説した「RxSWIN」の厳格な運用要件のように、法規は常に具体化・進化を続けています。これからのメーカーには、法規を遵守するだけでなく、それをいかに効率的、かつ確実に実務へ落とし込むかという実践的な運用力が求められます。

テュフ ラインランド ジャパンは、コンセプト段階からCSMS/SUMSの構築、そして車両型式認証に至るまで、車両サイバーセキュリティのあらゆるフェーズで技術支援を提供しています。豊富な認証実績を活かし、UN-R155 /156の最新動向に合わせた実務的なアドバイスが可能です。

自社のプロセスが最新の要件(RxSWIN運用、緊急時の報告体制など)に適合しているか確認したい、あるいは具体的な対応策を検討したいといった場合には、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

TUV-Rheinland-JP-Matsuura-Image-JA 松浦 計一(まつうら けいいち)
テュフ ラインランド ジャパン株式会社
モビリティ事業部 セクションマネージャー
2004年より型式認証の審査業務に従事。車両認証および部品認証に携わり、EMC関連法規の試験プラン、判定基準を立案。
またサイバーセキュリティ、ソフトウェアアップデート認証も担当
2017年よりテュフ ラインランド ジャパンで型式認証を担当
テュフ ラインランド グローバルのエキスパートグループメンバー

 

お問い合わせ:カスタマーサービス(TEL:045-470-1850 E-Mail: info@jpn.tuv.com)
更新日 :6/29/2026


シリーズ 「自動車のサイバーセキュリティ」
第1回 : UN-R155 に適合するには
第2回 : はたしてISO/SAE 21434に適合することが、UN-R155/UN-R156 のCSMS/SUMS認証を取得するための十分条件なのか?
第3回 : ISO/SAE 21434とUN-R155のリスク軽減策で考慮すべき2つの重要点とは
最終回 : サイバーセキュリティの視点で読むUN-R157
番外編:UN-R155/UN-R156の準拠でやってはいけないことーWP29発行の解釈文書のトリセツ


シリーズ「UN-R155 サイバーセキュリティとUN-R156 ソフトウェアアップデートの国連規則動向」 
前編:UN-R155参照範囲の拡大 
後編:RxSWINの事実上の義務化 


 

 

Topics: Mobility, IoT, 通信機器, サイバーセキュリティ, automotive-cyber, MOBILITYS, ACBSeries