UN-R155(サイバーセキュリティ)およびUN-R156(ソフトウェアアップデート)が施行されて3年以上が経過しました。自動車業界では、CSMS/SUMSの構築を経て、運用の定着化へとフェーズが移っています。
本ブログではこれまで、シニアエキスパートの本多が以下の5つのトピックを通じて、法規の基礎と実務の要点を解説してきました。
・基礎:
UN-R155適合のポイント(第1回 : UN-R155 に適合するには)
ISO/SAE 21434と法規の整理(第2回 : はたしてISO/SAE 21434に適合することが、UN-R155/UN-R156 のCSMS/SUMS認証を取得するための十分条件なのか?)
・深掘り:
ISO/SAE 21434の実務要件(第3回 : ISO/SAE 21434とUN-R155のリスク軽減策で考慮すべき2つの重要点とは)
・個別法規:
自動運行装置(UN-R157)とサイバーセキュリティ(最終回 : サイバーセキュリティの視点で読むUN-R157)
今回は、これらの基礎知識を前提とした2024年以降の最新アップデートを「UN-R155 サイバーセキュリティとUN-R156 ソフトウェアアップデートの国連規則動向 | 前編、後編」として、UN-R155 参照範囲の拡大とRxSWINの事実上の義務化について解説します。
前編:UN-R155を参照する個別法規の拡大(横断的適用)
以前の記事で「UN-R157(ALKS)においてUN-R155 適合が必須であること」を解説しましたが、現在、この流れは他の個別規則へも急速に広がっています。
具体的には個別のシステム型式認証でのUN-R155 への適合証明が前提となりつつあります。
主な拡大範囲と参照法規:
・盗難防止・デジタルキー: UN-R116, R161, R162, R163(デジタルキーの資産保護)
実務上の重要ポイント:
これらの個別規則への適合には、対象保護資産を再定義し、UN-R155 のCSMSプロセス(リスク分析から実装・検証まで)を適用する必要があります 。車両認可はメーカーが対応するものですが、サプライヤーもメーカーからの要求に基づき、部品・システムレベルでのリスク分析や対策実装が求められます。
テュフ ラインランド ジャパンは、コンセプト段階からCSMS取得、そして車両型式認証に至るまで、車両サイバーセキュリティのあらゆるフェーズで技術支援を提供しています。豊富な認証実績を活かし、UN-R155 / R156の最新動向に合わせた実務的なアドバイスが可能です。
詳細な支援内容については、お問い合わせください。
| 松浦 計一(まつうら けいいち) テュフ ラインランド ジャパン株式会社 モビリティ事業部 セクションマネージャー 2004年より型式認証の審査業務に従事。車両認証および部品認証に携わり、EMC関連法規の試験プラン、判定基準を立案。 またサイバーセキュリティ、ソフトウェアアップデート認証も担当 2017年よりテュフ ラインランド ジャパンで型式認証を担当 テュフ ラインランド グローバルのエキスパートグループメンバー |
お問い合わせ:カスタマーサービス(TEL:045-470-1850 E-Mail: info@jpn.tuv.com)
更新日 :6/29/2026
シリーズ 「自動車のサイバーセキュリティ」
第1回 : UN-R155 に適合するには
第2回 : はたしてISO/SAE 21434に適合することが、UN-R155/UN-R156 のCSMS/SUMS認証を取得するための十分条件なのか?
第3回 : ISO/SAE 21434とUN-R155のリスク軽減策で考慮すべき2つの重要点とは
最終回 : サイバーセキュリティの視点で読むUN-R157
番外編:UN-R155/UN-R156の準拠でやってはいけないことーWP29発行の解釈文書のトリセツ
シリーズ「UN-R155 サイバーセキュリティとUN-R156 ソフトウェアアップデートの国連規則動向」
前編:UN-R155参照範囲の拡大
後編:RxSWINの事実上の義務化