テュフ ラインランド ジャパンは、2023年8月31日に「鉄道RAMS（ラムズ）規格概要 期間限定セミナー」を開催しました。2023年に3回開催した同セミナーでは、延べ約100名の皆様がご参加されました。質疑応答を通して、国内鉄道事業飽和状態の打破策としての海外事業プロジェクトに関する各社共通課題が大きく二つあることが分かりました。それは、人的な課題とRAMS規格未準拠の課題です。この二つの課題を少し詳しく説明します。
課題１：業務量、人材不足、知識不足
海外プロジェクトに参加するためには、世界共通のRAMS規格に準拠しなければなりません。日本規格から欧州規格に準拠するには膨大かつ難解な適応業務が発生します。しかし、この適応業務をこなすために必要な人材が不足しており、さらに専門知識の不足という深刻な問題もあります。これらの３つ巴の課題は、互いに絡み合うためどれか１つを対処すれば解決とはなりません。
課題２：RAMS規格の未準拠で失うビジネスチャンス
国内の鉄道製品は、国内需要を焦点に国内規格準拠が主流でした。そのため、国際規格、世界基準である鉄道RAMS規格準拠への対応が大幅に遅れています。国内鉄道製品市場の飽和や市場ニーズの変化により海外プロジェクトへの入札需要が高まっている中で、欠かすことができない規格です。
また、日本政府による国際支援プロジェクトに参画する絶好のチャンスに恵まれ、かつ現地のプロジェクトオーナーが日本製車両の導入を希望しているにも拘わらず、当該製品が鉄道RAMS規格未対応だったため、致し方がなく海外企業製品を選ばざるを得ないという極めて残念な状況が現在おこっているのです。
戦後にほぼゼロ、マイナスの状態から始まった日本のモノづくりは、世界最高峰の品質を誇っています。JIS規格に準拠済みの精度や信頼性も高い日本鉄道製品を世界へ展開するチャンスに恵まれながら、鉄道RAMS規格に準拠していないという理由で輸出を断念せざるを得ないのは、あまりにももったいないとは思いませんか。
テュフ ラインランド ジャパンのワンストップサービス
テュフ ラインランド ジャパンは、技術提供を通じて鉄道関連プロジェクト運営から鉄道関連製品認証、人材育成のプロジェクトまでお客様のグローバル事業化をワンストップでサポートします。海外プロジェクトへの技術支援参画などのご相談も受け付けておりますので、ぜひお問い合わせください。
その他、鉄道関連のサービスの詳細は下記のリンクをご参照ください。
テュフ ラインランド ジャパン鉄道技術サービス：
https://www.tuv.com/japan/jp/functional-safety-and-homologation-support-in-rail.html
2024年開催のセミナー：
2024年上旬に最新情報を盛り込んだセミナーを企画しています。
1) 鉄道RAMS規格の適合設計 (6時間、有料セミナー)
2) 鉄道分野のサイバーセキュリティ規格CLC/TS 50701の概要説明（6時間、有料セミナー）
3) 海外鉄道市場に求められた必須の規格認証 (6時間、無料セミナー、参加条件有り)
- 鉄道品質マネジメントシステムISO 22163認証 (IRIS認証)
- 鉄道車両溶接 EN 15085-2認証
- 鉄道RAMS規格 EN 5012Xに基づいたSIL認証
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講師プロフィール： |
夏 永強(ナツ エイキョウ) テュフ ラインランド ジャパン株式会社 モビリティ事業部 鉄道技術・認証部 鉄道認証サービス 室長 鉄道RAMS規格に準拠した機能安全エキスパートとして、各国の鉄道当局、鉄道事業者、鉄道車両メーカーさらにシステム・部品サプライヤー向けにSIL認証の適合および技術支援を担当。現在は、その豊富な経験をいかし、次世代の水素燃料電池列車やGoA4完全無人運転の新規開発鉄道車両のアセスメントをはじめ、鉄道RAMSセミナー講師も行っている。 |
2023年に開催したセミナーにご参加いただけなかったお客様を優先的にご案内します。ぜひご検討の上、下記よりお問い合わせください。皆様の製品をRAMS規格に準拠させて世界へ向けて広く展開することをお手伝いします。
お問い合わせ：
テュフ ラインランド ジャパン モビリティ事業部 鉄道技術・認証部（TEL: 045-470-1911 E-Mail: JP-Rail@jpn.tuv.com）
関連リンク：
・ブログ｜鉄道RAMS規格概要 期間限定セミナー 開催決定
・サービス紹介｜テュフ ラインランド ジャパン鉄道技術サービス