総務省は2024年10月15日発表の報道資料で、電波法施行規則及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の一部を改正する省令案等についての意見募集を2024年10月16日から11月14日まで行うことを公示しました。
今回の改正ポイントは2つあります。
- 搬送ロボット用ワイヤレス電力伝送システム向け電波法施行規則の一部改正
- 空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム向け特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の一部改正
- 搬送ロボット用ワイヤレス電力伝送システム向け電波法施行規則
搬送ロボット用のワイヤレス電力伝送システムとは、6.7MHz帯を利用して電界結合方式を活用した無線で電力を伝送する技術です。このシステムは、工場や物流拠点で使用される自動搬送車(AGV)やロボットに対して、充電や電力供給をケーブルなしで行うことができます。労働人口の減少や物流業界の課題を考慮し、稼働中でも連続して電力供給することが可能なワイヤレス電力伝送システムに注目が集まっています。
現在、総務省は情報通信審議会からの答申を受け、この技術に必要な制度を整備するために、電波法施行規則を改正するための省令案を作成しています。この改正により、ワイヤレス電力伝送システムの導入が容易になる見込みです。
- 空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム向け特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則
空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムは、無線で電力を送る技術の一つです。現在は920MHz帯、2.4GHz帯および5.7GHz帯*が構内無線局として使用されています。920MHz帯については既に特定無線設備として法整備が行われましたが、今回は2.4GHz帯と5.7GHz帯の周波数の追加が検討されています。これら周波数は、Wi-FiやBluetoothなどでも一般的に使用されています。
今後、空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの普及を促進するため、特定無線設備の技術基準に関する規則を見直すことが検討されています。そのために、特定無線設備に新しいルールを追加するための省令案が作成されました。特定無線設備として追加されると技適マークを付けることができ、無線機の免許を申請する際の手続きが大幅に簡略化されます。
これらの改正を盛り込んだ省令案は、より多くの人々がこの技術を使いやすくなることを目指して意見募集が行われます。なお、6.7MHz帯を利用した搬送ロボット用のワイヤレス電力伝送システムは高周波利用設備として、2.4GHz帯および5.7GHz帯を用いた空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムは特定無線設備として、それぞれ法制化される予定です。
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出展元・参照リンク(総務省):報道資料|電波法施行規則及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の一部を改正する省令案等についての意見募集(soumu.go.jp)
*本ブログは、設備規則第四十九条の第九にあわせ、5.7GHz帯としています。
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更新日 :10/17/2024