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HEMSが創造する市場
日本において省エネが進んできたとはいえ、いっそうのエネルギー削減が目標とされています。2015年12月には、資源エネルギー庁からZEH (Net Zero Energy House) の実現に向けたロードマップが発表されました。
こうした背景からスマートハウスの導入はさらに進んでいくものと思われます。HEMSを中心としたスマート家電への注目が高まっており、ユーザー側からの需要、メーカー側からの開発も盛んになると期待されます。
また、IoT技術の発達により、HEMSでつながれる機器の種類も広がっていくと考えられます。たとえばロボット掃除機やインターネット冷蔵庫などが挙げられます。また、操作性においてもいっそう便利になっていくことが期待されます。現状においても、専用のコントローラやテレビ画面操作だけでなく、リモコンをWiFiでつないで使ったり、スマートフォンやタブレットからの操作が可能になっています。
スマート技術が市場にもたらすもの
スマート技術は省エネや生活の便利さの向上の点だけでなく、市場の拡大ももたらすと期待されます
民間調査によると、スマートハウス関連製品・システムの国内市場は、2013年に2兆円を超えたとされています。2014年の太陽光発電システムの補助金終了で一時市場が低迷したものの、本年度の電力小売自由化を契機として市場が好転すると予測されています。2020年の市場規模予測は2013年比39.1%増の2兆8,886億円とされています。
この市場の中でも特に大きな伸張が予測されているのがHEMS製品です。2013年 の113億円 から、2020年には3倍近い 303億円の規模に達すると見込まれています。
2015年11月に安倍総理の官民対話の中で、VPP構想(バーチャルパワープラント)が取り上げられ、その実証のために今年度予算29.5億円を投じることが決まっています。急速に普及している再生可能エネルギーや蓄電池を安定的かつ有効に利用するため、デマンドレスポンス等の高度なエネルギーマネジメント技術によってそれらを統合的に制御し、あたかも一つの発電所(仮想発電所)のように機能する実証実験を行います。その中で住宅や店舗などに設置した蓄電システムをHEMSを通して遠隔操作して充放電させるのにデマンドレスポンス技術とECHONET Liteが必要になります。
今回ECHONET Lite/AIFの試験・認証制度が確立され、さらなる国際規格化についても展開されています。この規格がグローバルスタンダードになることは日本にとっての試金石となるだけでなく、日本そして世界の市場拡大のためのはずみとなると期待されます。
-完-
Japan Industry News 2016年5月掲載記事の日本語訳です。
スマートハウス - 創エネ・蓄エネ・省エネを支える日本の技術と規格(1)
スマートハウス - 創エネ・蓄エネ・省エネを支える日本の技術と規格(2)
スマートハウス - 創エネ・蓄エネ・省エネを支える日本の技術と規格(3)