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ISO 45001:2018の発行による変更点

Posted by TUV Rheinland Japan on 2019/09/26 15:20:00
TUV Rheinland Japan

450012018年3月12日、ISO 45001:2018労働安全衛生マネジメントシステムが発行されました。これは、従来の労働安全衛生規格BS OHSAS 18001:2007に置き換わるものです。新たな規格は、労働安全衛生を確保する効果的なプロセスの要求事項を定め、その導入に関する指針を示しています。

労働安全衛生に関する具体的な変更点

ISO 45001:2018が規定する効果的な労働安全衛生マネジメントシステムに対する新たな要求事項

新規格は、従業員の予防的安全対策を重視したものとなっており、業務中の負傷、事故、疾病のリスクを大幅に抑制することを目的としています。

また、新規格では、監督者の責任を増大させ、積極的関与を促しています。効果的なプロセスとマネジメント方法が採用されており、企業内のあらゆるレベルにおいて、労働安全衛生マネジメントシステムの統合と持続可能な運用が可能です。

また新規格は、従業員の関与と労働安全衛生を重視する文化の促進を強調しています。

ISO 45001:2018が要求している継続的なプロセスは、的確な安全管理を促進し、効果的な労働安全衛生システムの持続的な運用を可能にします。


ISO 45001の具体的な変更点:マネジメントシステムの一体化

従来のBS OHSAS 18001:2007と同じく、新規格も「Plan–Do–Check–Act(計画・実行・評価・改善)」(PDCAモデル)に基づいています。

大きな変更点は、新たに「上位構造(HLS)」が採用された点です。これはマネジメントシステムに関するさまざまな規格と統合させるためのものです。品質管理システムのためのISO 9001:2015規格や環境マネジメントシステムのためのISO 14001:2015規格でも、すでに同じものが導入されています。

マネジメントシステムの統合を容易にするには、構造、定義、用語の統一が不可欠です。

その他の変更点は、組織の状況の理解に関するもので、影響を与えうる問題点と利害関係者やその期待を正確に把握することを目的としています。また短期の従業員や下請業者、サプライヤーの労働安全衛生も考慮しています。

またリスク分析がさらに重視されており、これは労働安全衛生の改善につながる機会やリスクの洗い出しを目的としています。


ISO 45001:2018導入の目的

労働安全衛生に関する新規格の導入には、いくつかの目的があります。

第1にISO 45001:2018は、プロセス指向の構造であるため、効果的で包括的な労働安全衛生マネジメントシステムの導入が可能です。これはグローバルな評価を高めることが狙いです。なかでも顧客や規制当局における認知の向上を重視しています。

第2にISO 45001:2018は、従業員やその監督下にある人員の、安全で健康的な労働環境の確立と改善を目標としています。さらに労働安全衛生マネジメントシステムの継続的な改善においては、PDCAモデルが活用されています。

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ISO 45001:2018導入のメリット

労働安全衛生マネジメントシステムは、労働環境において一定水準の健康と安全を安定的に実現することを主な目的としています。従業員の事故を防ぎ、健康を維持することは、効率性の向上につながります。複雑化し、変化の激しい現代においてもそれは同じです。

ISO 45001の導入によって、大幅なコスト削減が実現します。労働安全衛生をマネジメントに組み込むことによって法的な要求事項を満たし、不測の事態を防ぐことができます。

労働安全衛生がもたらす持続的効果と透明性は、企業イメージの向上にもつながります。顧客やサプライヤーだけでなく規制当局や投資家に対しても、労働安全衛生を重視する企業であることをアピールできます。

また初期段階から従業員が計画や導入に参加することができるため、従業員のモチベーションを大幅に高めることができます。
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ISO 45001:2018労働安全衛生マネジメントシステムの認証について、詳細はお問い合わせください。


お問い合わせ:カスタマーサービス(TEL: 045-470-1850 E-Mail: info@jpn.tuv.com

更新日 : 1/22/2020

Topics: マネジメントシステム