ISO/IEC 20000-1は、提供されるサービスの種類、規模、性質に関わらず、すべてのサービス提供者に適用される「サービスマネジメント」の国際規格です。
ISO/IEC 20000-1の導入・運用、認証取得により、サービスレベルの明確化、改善、サービス停止のリスク低減、コスト管理・サプライヤ管理の徹底を図ることができます。
ISO/IEC 20000-1:2018には、「サービスマネジメントシステム（SMS）を確立し、実施し、維持し、継続的に改善する」ための要求事項が記載されています。これらは、ISO 20000規格に準拠するために組織が満たさなければならない必須の要求事項です。ISO/IEC 20000-1は2005年に最初の規格が発行され、その後2011年に更新されました。2018年9月15日に、規格の第3回完全改訂版（ISO/IEC 20000-1:2018）が公開されました。
ISO 9001品質マネジメントシステムは、2015年の改訂以降、製品品質だけでなく、サービスの提供にもより親和性を持たせて適用可能性の拡張が図られました。ISO/IEC 20000-1は元々サービス提供に焦点を合わせて開発された規格のため、サービス品質をより深く管理したい組織には、ISO/IEC 20000-1がより適している場合が多くあります。
ISO/IEC 20000-1:2011から2018年版への移行
ISO/IEC 20000-1:2018のリリースを受けて、各組織は認証を最新の2018年版規格へ移行する作業を行う必要があります。
- 2020年3月31日以降
すべての新規認証および再認証は、ISO/IEC 20000-1:2018に準拠しなければなりません。 - 2020年4月1日以降
旧基準に基づく初回審査および再認証審査は実施できなくなります。 - 2021年9月30日以降
ISO/IEC 20000-1:2011に基づく認証は効力を失います。
- マネジメントシステム規格全般に適用される新しいHLS（High Level Structure、上位規格構造）が導入され、ISO 9001（品質管理）やISO 27001（情報セキュリティ管理）のような複数の規格への準拠が容易になりました。
HLSは、すべてのISOマネジメントシステム規格が使用することを要求されている10の条項のセットです。すべてのマネジメントシステム規格には共通点があり、HLSは異なる分野のシステム間のより適切な統合を可能にします。HLSは、共通の構成・要求事項を最大公約した最小限の標準テキストの体系ですが、ISO/IEC 20000-1には「サービスマネジメント」に沿った多くの有用な要求事項が盛り込まれ編集されています。主として箇条8に、「サービス提供プロセス」に従った、具体的に考慮すべき要求が記載されています。
ISMS、品質、OHS、環境、食品安全、その他の分野のHLSをベースとしたマネジメントシステムとより簡単に統合することができます。 - 用語および定義を改訂し、マネジメントシステム規格に特有の用語が含まれました。ISO/IEC 20000-10に記載されている用語と定義に参照が追加されました。
- サービスのコモディティ化や、サービスインテグレーターによる複数のサービス提供者の管理など、サービスマネジメントのトレンドの高まりを考慮して、条項の修正・追加が行われました。
- 組織が要件を満たすための柔軟性を高めるために、いくつかの詳細が削除されました。
- サービスマネジメントシステム（SMS）を構築し、実施し、維持し、継続的に改善することを明示的に要求しています。
- マネジメントシステムの基準では、多くの改善手法が利用できるため、「PDCA」（Plan-Do-Check-Act）の手法への言及が削除されました。
- 組織の状況に応じたとリスクと機会に対処するアクションのための、新しい要件が追加されました。
- 文書化された情報、資源、能力、意識の要件が更新されました。
- サービス計画、知識、資産管理、需要管理、サービス提供に関する追加要件が追加されました。
- インシデント管理とサービスリクエスト管理の要件は、2つのセットに分離されています。
ISO/IEC 20000-1：2018の構成
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更新日 : 3/30/2021