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IEC 62368-1の概要

Posted by TUV Rheinland Japan on 2018/10/31 10:24:39
TUV Rheinland Japan

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国際電気標準会議

世界で最も古い標準化団体の1つである国際電気標準会議(IEC)は、各種専門家、学者、政府関係者から構成される技術委員会(TC)を持っています。技術委員会は、実際の規格を作成する任務を負っています。作成された規格はIECによって採用され、その後世界中で施行されることになります。

IEC TC 108

IEC TC 108は、「オーディオ・ビデオ、情報技術、通信技術分野における電子機器の安全性」に関する規格を担当しています。TC 108が数年前に策定した新規格 IEC 62368-1は、IEC 60065およびIEC 60950-1の単なる改訂版ではなく、両規格を置き換えるものです。

IEC 62368-1

「伝統的な」AV機器とIT機器との境界の曖昧化が進む中、「ハザードベース」の新規格によって電子機器とIT/通信技術の両方に対応していく方針が決定されました。それが、IEC 62368-1、オーディオ・ビデオ、情報および通信技術機器 – 第1部:安全要求事項です。

IEC 62368-1は新しいタイプの規格であるということを理解しておくことが重要です。

  • 新たな製品評価方法が認められています。
  • 旧規格の定義および要求事項の一部が変更または削除されています。
  • 技術委員会は当初から、IEC 62368-1をバランスのとれたものにすることを意図しています。 新規格の具体的な特徴は以下の通りです。
  • よりパフォーマンス重視となっているが、これまでに(IEC 60065、IEC 60950-1などにおいて)安全性が証明されている場合には、既知の構造も認めている。
  • (妥当な限りにおいて)技術に依存せず、設計の自由度を高めている。
  • さらに幅広い(既知の)電気製品に適用可能である上、新たな技術をより簡単にグローバル市場に導入することができる。
  • 最終目的は、安全な製品の設計と製造。新規格は非常に広範に活用されることになるため、信頼性があり、分かりやすく、利用しやすいものであることが必要である。IEC 62368-1はハザードベースであると同時にパフォーマンスベースであり、製品の安全性評価を設計段階で行うことをより重視している。従来の規格からは、主に以下の4つの点が変更されている。


1. エネルギー源の危険限界
従来IEC 60950-1では、一般に「通電状態」で2つの操作部を短絡させることにより、人が感電による傷害を負う可能性に関する機器の評価を行っていました(危険エネルギーレベル:240VA以下)。技術委員会が検討を重ねた結果、この要求事項はIEC 62368-1から削除されています。

2. 機械的危険源
3段階の危険度レベルにより、危険な可動部をより容易に定義できるようになりました。

  • MS1:痛みや傷害を引き起こさない機械的危険源。
  • MS2:傷害を引き起こさないが、痛みを感じさせる場合がある機械的危険源(ピンチポイントや鋭利な端部など)。
  • MS3:傷害(治療を要する傷害など)を引き起こす可能性がある機械的危険源。

3. コンポーネント
従来の規格から新規の規格への移行を円滑に進めるため、IEC 60950-1またはIEC 60065に適合しているコンポーネントおよびサブアセンブリは、追加調査なしで認められています。この措置は現在の移行期間中のみ適用され、その後は廃止されます。

4. 接触温度限度の改訂
もう1つの大きな変更点は接触温度限度です。新規格では、接触温度限度は各部分のアクセシビリティおよび想定されるユーザーの身体との接触時間に応じて変化します。また、温度限度値は、製造業者の定格周囲温度ではなく、規格化された25℃の周囲温度に基づき決定されます。

テュフ ラインランドは、お客様のIEC 62368-1対応を迅速にサポートします。詳細は、下記までお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ:カスタマーサービス(TEL: 045-470-1850 E-Mail: info@jpn.tuv.com)

Topics: IT機器, AV機器, 62368-1