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機能安全エンジニア資格取得者インタビュー<シリーズ2>

Posted by TUV Rheinland Japan on 2022/12/14 15:49:22
TUV Rheinland Japan

資格は知識と経験の客観的な裏付け。機能安全の全体を整理できます。

国際的に機能安全への意識が高まり、IEC 61508の認証取得やそれに向けた人員育成のニーズが増加しています。安全設計はどうあるべきかをIEC 61508の規格をとおして十分理解したうえで、安全性を考慮した設計・開発をすることが、自社製品の安全性確保・向上に繋がります。


テュフ ラインランド ジャパンの「機能安全エンジニア(FSE)資格取得トレーニングコース」は、機能安全規格で要求される技術的適性能力を持つ技術者の育成をサポートし、資格を取得することで、その技術的適性能力を客観的に証明することができます。

シリーズ第2回目では、本コースを受講しFSE資格を取得された、HMSインダストリアルネットワークス株式会社 テクニカルグループ シニアエンジニアの伊東 仁様にインタビューを行いました。

Mr. Ito_HMS_customer interview FSE 2022


ーーー 会社概要と伊東様の普段の業務についてお聞かせください。

弊社HMSインダストリアルネットワークスは、産業用通信向けの組み込み製品やゲートウェイ製品のほか、生産設備へのリモート接続やビルディングオートメーション向けのソリューションなどを提供しています。そのラインナップの中で機能安全・安全通信関連の製品も扱っておりまして、その技術的なサポートを私が担当しています。 CIP Safety や FSoE といった安全通信に関する情報の提供、製品使用上の要求事項を満たす方法についてのご相談や、安全通信のエラー解析支援など、お客様のプロジェクト全体を通じて適宜サポートを提供します。また、機能安全開発のご経験をお持ちでないお客様には、開発の進め方や注意点などについても、アドバイスさせていただいております。

 

ーーー テュフ ラインランドのFSEコースを受講されたきっかけや、動機は何ですか?

実際に業務を進めていく中で、お客様のご要望や課題を正しく理解するための基盤として、機能安全の知識を深める必要性を感じていました。例えば、お客様が目指す安全要求仕様を正確に把握して適切な提案を行うには、「安全機能」「安全状態」「目標SIL」といった概念やフォールト回避・制御の方策を理解しておく必要があります。こうした機能安全の「共通認識」を体系的に学ぶ方法を探していたところ、自社製品の安全認証取得の際に審査を受けたテュフ ラインランドがトレーニングも提供していることを知り、IEC 61508 FSEコースの受講を決めました。


ーーー 受講の中で特に印象的だった内容・学びについてお聞かせください。

IEC 61508に沿って開発を進める際は、安全計画書(Safety Plan)や安全要求仕様書(SRS)などのドキュメントを作成することになります。トレーニングではそれらのドキュメントを実際に作成してみたり、意図的に不備が仕込まれたサンプルドキュメントを見て問題個所を指摘する、といった実践的な課題もあったのが印象的でした。

また、あるシステムが目標とする安全度水準に達しているかどうかを判断するには、さまざまな情報に基づいて安全関連パラメータと呼ばれる一連の数値を計算する必要があります。その計算手順は自分にとってかなり難しく感じられましたが、講師の方に一つひとつ解説していただきようやく理解できたことが記憶に残っています。

 

ーーー 実際に受講された結果、得たものは何ですか?

もともと業務を通じて断片的な知識は持っていたのですが、受講によってそれらが整理され、さらに足りていなかった部分を埋めることができました。その結果、お客様のご要望をより正確に理解できるようになりましたし、受講で得た知識も援用しながら、より適切な提案をできるようになったことが大きな成果です。また、FSE資格を保持していることが知識・経験の客観的な裏付けになり、お客様がより真摯に耳を傾けてくださるようになったと感じています。

 

ーーー 受講で得たものや資格を、どのような場面で活かしてきましたか?

受講前は自社製品の使い方や仕様の説明を中心にサポートを行っていましたが、受講後はIEC 61508の考え方と組み合わせて、なぜそのような仕様になっているかという理由や背景までお伝えできるようになりました。弊社が定期的に開催しているセミナーでも、製品の情報と機能安全の基本的な知識をセットで提供することで、お客様がもっと機能安全に取り組みやすくなる環境づくりを進めています。

 

ーーー これからFSEコースに参加される方へ、メッセージをお願いします。

機能安全規格に準拠した製品開発に直接携わる方はもちろん、私のように間接的に関わる立場の方にとっても、意義のある内容だと思います。
私が受講した当時はトレーニングも対面で開催されていたので、トレーニングルームに3日間通い緊張感の漂うなかで学びました。現在はオンライン開催となり、遠方からも参加しやすい状況になっています。トレーニングは3日間にわたるためスケジュール確保が大変な面もありますが、得られるものも大きいと思います。是非チャレンジしてみてください。

 

HMSインダストリアルネットワークス株式会社:https://www.hms-networks.com/ja
HMS機能安全・安全通信製品: https://www.ixxat.com/ja/products/safety-products/safety-overview

 

インタビューを終えて(弊社 インダストリー&サイバーセキュリティ事業部 サイバーセキュリティ&機能安全部 営業 川崎)

お忙しい中、資格取得者インタビューにご対応いただき、ありがとうございました。
試験に合格し、資格を取得するということは、テュフ ラインランドの本コースが目的とする「機能安全規格で要求される技術的適性能力を持つ技術者」であることの証明であり、自信を持って自社製品・サービスの開発に取り組んでいただけると思います。機能安全の基本概念から実践的な計算演習まで、実戦で役立つ内容ですので、今後も多くのお客様に資格を取得いただければと思います。

 


テュフ ラインランドのFSEコースは、経験豊富な認証検査員による丁寧な講義、世界レベルの資格を取得できるなどが特徴で、日本では2006年から毎年実施しています。ご興味がございましたら、ぜひお問い合わせください。

機能安全エンジニア資格トレーニングコース(フライヤーPDF)

次回開催 2023年2月14日~16日、21日:機能安全エンジニア資格(FSE)トレーニングコース – IEC 61508【オンライン】

テュフ ラインランドの機能安全サービス (ウェブサイト)

 

 

お問い合わせ:
テュフ ラインランド ジャパン株式会社
産業サービス部 機能安全 FSEコース担当 高濱里佐
Eメール: fsjapan@jpn.tuv.com(機能安全グループ代表アドレス)TEL: 06-6355-5191

カスタマーサービス(TEL: 045-470-1850 E-Mail: info@jpn.tuv.com

更新日 : 12/14/2022

Topics: Functional Safety, tuv.communication, 機能安全