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極寒冷気候が電気自動車に与える影響について

Posted by TUV Rheinland Japan on 2016/03/14 10:30:00
TUV Rheinland Japan

テュフ ラインランド北米・産業機器サービスの事業部長Jon Kotrbaが、電気自動車(EV)の充電と保守について、また極寒冷気候の影響について知っておくと便利な情報をお届けします。

2013-2014年の冬の寒さは記録破りでした。北米を襲った猛烈な寒波の影響で気温がマイナス28° Cを下回り、いつもは温暖なフロリダ州南部まで氷点下の気温になりました。電気自動車をお持ちの方は、極寒の冬を乗り切るための対策はお済みですか?

合衆国北部の私たちは、極寒の冬の大変さを知っています。愛車に乗り込んでキーを回しても何の反応もない! エンジンがかからないのです。寒波による気温の低下が原因です。バッテリーの性能が落ち、自動車の始動に必要な電圧と電流が流れなくなるのです。使用期間が7年を超える鉛酸バッテリーは、冬の寒さで故障してしまい、交換が必要になることも珍しくありません。

では、愛車がバッテリーだけを動力源とする電気自動車ならどうでしょう。たとえば、日産「リーフ」やテスラモーターズの「Tesla」などの場合です。寒波のためにバッテリーが故障し、自動車が走行不能になり身動きがとれなくなったり、バッテリー交換が必要になったりする可能性もあります。電気自動車の普及が進んでいますが、バッテリーの交換には多額の費用がかかるのが現状です。極低温条件下でも高価なバッテリーを保護し、使用寿命を延ばすためには、どうすればよいのでしょうか?

極寒の気候がバッテリーの敵であることは確かです。極端な低温条件下で充電するだけでも、バッテリーセルは消耗します。そのため、テスラモーターズ社などの電気自動車メーカー各社は、充電回路にインテリジェント制御機能を組み込む対策を行なっています。この制御機能により、バッテリーを予熱してからバッテリーの充電を開始することで、バッテリーを保護して消耗を低減します。これにより、冷温条件下でも安心してバッテリーの充電を行うことが可能となります。例えば、テスラモーターズ社の「バッテリー温度管理システム」は、未充電時にバッテリーを保温することで、走行可能距離に影響するバッテリーの放電を抑制し、最適性能が得られるように設計されています。

「EVSE」(充電ケーブル)は、テュフ ラインランドなど、信頼できる第三者検査機関による検査合格品を必ず使用するようにしてください。EVSEには、非常に高い電流・電圧がかかるため、機器に不具合が発生すると感電や火災の恐れがあります。そのため、テュフ ラインランドでは、電気的安全性と防火特性を確認するための試験を行います。未試験の装置を使用することは、愛車にダメージを与えるだけでなく、安全上大変危険です。

冬季には、車庫に駐車した電気自動車のプラグを充電器に差し込んだままにしておき、バッテリー温度管理システムを常に作動させておくと、バッテリーの消耗を防止することができます。また、出来る限り、電気自動車を氷点下にならない温度条件下で保管することで、バッテリー性能を延ばすことができます。それでも大寒波が到来したときには、事前に計画を立て、運転可能距離を通常より短く見積もっておくことが大切です。

TÜV Rheinland Blog ”The Impact of Extreme Cold Weather on Electric Vehicles”より翻訳