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Bluetoothコア仕様 バージョン5.1について

Posted by TUV Rheinland Japan on 2019/12/02 12:00:50
TUV Rheinland Japan

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2019年1月、Bluetooth SIG は、コア仕様バージョン5.1をリリースしました。リリースから少し時間が経っていますが、バージョン5.1の内容に 関するお問い合わせを多くいただいておりますので、ご案内いたします。

参照URL :
https://www.bluetooth.com/specifications/bluetooth-core-specification/

コア仕様バージョン5.1は、主にLow Energy の技術仕様変更であり、「ディレクション・ファインディング」と呼ばれる新しいロケーションサービス機能が追加されました。

これまでのロケーションサービスは、受信電界強度(RSSI: Received Signal Strength Indicator)を使用し、対向デバイスからの電界強度のみで距離を判定していました。しかし電界強度のみで判定する場合、電波の反射や電波伝搬等の状況により、対向デバイスの位置・方向を正しく認識するのが難しく、ナビゲーションとして使用する場合の精度が問題点として挙げられていました。

今回追加された「ディレクション・ファインディング」では、アンテナを複数並べてアレイアンテナとして使用し、各アンテナから受信される「電界強度」と「位相角(I/Q)」の2つの情報を処理することにより、対向デバイスの場所の特定精度が向上しました。この「ディレクション・ファインディング」技術を採用すると、位置の誤差が従来の数メートルから数センチレベルまで改善できます。


バージョン5.1の主な新しい機能は以下の通りです。

• Angle of Arrival (AoA) and Angle of Departure (AoD)
上述の「ディレクション・ファインディング」技術です。複数のアンテナを受信側で使用する場合は 「AoA」 、送信側で使用する場合は 「AoD」 になります。

• Randomized Advertising Channel Index
アドバタイジング時にスキャンするチャンネルの順序を変更することが可能になります。 これによりパケットの衝突を避けることができます。

• Periodic Advertising Sync Transfer
デバイスの消費電力等の制約により、アドバタイジングパケットから同期情報を定期的に得られない状況があります。この様な制約のあるデバイスに対し、同期情報を定期的に得られるデバイスからポイント・ツー・ポイントで同期情報を転送することが可能になりました。

• GATT Caching
サーバーデバイスの属性情報に変更がない場合、クライアントは属性情報の確認作業を省略することができます。これにより電力消費を低減させることが可能になります。

「ディレクション・ファインディング」機能追加に伴い、無線試験規格「RF-PHY.TS.5.1.0.pdf」がリリースされ23項目の試験が追加されました。

テュフ ラインランド ジャパンの試験設備は「ディレクション・ファインディング」に対応した試験機が既に導入されており、バージョン5.1の無線認証試験の対応が可能です(注1)。「ディレクション・ファインディング」 試験に関するご不明な点は、個別にお問い合わせください。

(注1) テュフ ライランド ジャパンは、Bluetooth SIG から正式に認められた認証試験施設(BQTF)です。

※本記事は、Bluetooth SIG が公開した内容の要約です。正式な内容は、上記参照URLをご参照ください。

お問い合わせ:カスタマーサービス(TEL: 045-470-1850 E-Mail: info@jpn.tuv.com

更新日 : 3/30/2021

Topics: 通信機器, Bluetooth, 無線, IT機器