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自動運転レベル3時代だからこそ必要になるISO 26262:2018 自動車の機能安全

Posted by TUV Rheinland Japan on 2021/05/20 17:00:00
TUV Rheinland Japan

2020年2月に、車載システムのサイバーセキュリティ規格ISO/SAE 21434のDIS版がリリースされ、自動運転レベル3の規格対応が始まっています。今後の開発において、これらの新しい自動車関連の規格や国際基準への対応が求められています。このような中、2018年12月にリリースされた、自動車の機能安全ISO 26262:2018が改めて注目を集めています。

このブログでは、「ISO 21434対応において、ISO 26262:2018最新版対応は必要なのか?」というポイントを中心にして、影響範囲の広がりをまとめています。詳細に関しましては、お問い合わせください。

ISO 21434対応において、なぜISO 26262:2018最新版対応が必要か?

2021年には自動運転レベル3に関連する自動車線維持システム(ALKS)に関する国際基準UN-R157がリリースされ、テュフ ラインランドもR155をはじめとするサイバーセキュリティに関する規則・規格の特集を公開しました。

特集:サイバーセキュリティの視点で読むUN-R157

関連記事「ISO/SAE 21434とUN-R155のリスク軽減策で考慮すべき2つの重要点とは」でも紹介していますが、ISO/SAE 21434では、安全に関わる要件も複数定義され、その充足はISO 26262:2018のプロセスと調和しなければなりません。

また、安全目標とサイバーセキュリティ目標が重なることもありえます。これに加えてISO 21448(SOTIF)も、機能安全規格を前提とした安全規格です。そのため、自動運転の安全性の基盤は、機能安全のプロセスが担っているといえるでしょう。


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特に、安全面のリスク評価と製品保証はISO 26262:2018適合プロセス連携が重要です。すでに、多くの自動車メーカーは、機能安全に適合したV字プロセスに従って社内規定を運用しています。もしV字プロセスをおざなりにして社内規定を運用している場合は、今後の製品開発に支障をきたす恐れがあります。なぜなら、今、対応が進むISO/SAE 21434も、自動車の機能安全ISO 26262:2018と同様にプロセス志向が高く、親和性が高い構造になっているからです。

自動レーンキーピングシステム(ALKS)に関する国際基準UN-R157ではISO 26262:2018の遂行能力が明示的に指定されています。まさに、自動車開発では、両規格に関してシステムの開発のマネジメントとプロセスを本筋から外れることなく遂行する能力とそのエビデンスがより重要に問われる時代の到来といえるでしょう。

2011旧版からの改良点をふまえ、本当に2018年度版への適合は必要か?

自動車メーカーは、2020年の時点で機能安全規格の要求に従ってリスクアセスメントから開始するプロセスを持っています。また、ほぼすべての自動車に対して、自動車安全水準(ASIL)に応じたプロセス遂行能力を実現しています。

現在、ISO 26262:2011に適合していれば、問題はありません。しかし、ISO 26262:2018では、開発部門の実情にあわせて、いっそうの改良がされました。

2011旧版からの改良点:
・ASILに基づく要件の変更
・確証方策の対象変更と目的指向の明記
・表現と用語の変更
・誤記や表現曖昧性などの改善

さらに、トラック&バスやモーターサイクルへのスコープ拡大もISO 26262:2018への移行をおすすめする重要ポイントです。

このような新版と旧版の差異を踏まえれば、旧版のISO 26262:2011の役割は、従来製品の適合評価や維持といった側面に限定されることがわかります。そのためテュフ ラインランド ジャパンは、ISO 26262:2018への移行を強く推奨します。

お問い合わせ

本稿では、「ISO 21434対応において、ISO 26262:2018最新版対応は必要なのか?」というポイントを中心にして、自動車メーカーが検討すべき機能安全の適合理由をまとめました。

テュフ ラインランド ジャパンは、機能安全及びサイバーセキュリティ、SOTIFといった分野で最新状況を踏まえた、実戦的なトレーニングや支援サービスを展開しております。次回セミナーのスケジュールや、詳細に関しましては、お問い合わせください。

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更新日 : 5/26/2021

Topics: Mobility, IoT, 通信機器, サイバーセキュリティ, automotive-cyber