今、世界では環境に配慮したグリーン製品やサステナブル製品が求められています。皆さまの中でも環境に配慮した製品を選んで、購入される方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。北欧のスウェーデンは環境先進国の1つで、環境に配慮したさまざまな施策に取り組んでいます。これから3回にわたって*、スウェーデンが取り組んでいる環境対策や、さまざまな制度についてご紹介します。ぜひご参考になさってください。
日本よりも広い国土に、日本の人口の約12分の1の約960万人が生活する国、スウェーデン。東京都23区の人口が、926万人ですので、その広大さが想像できると思います。スウェーデンに行ったことがないので勝手な想像ですが、H&MやIKEA等同国の企業イメージから、広々としたお洒落な空間で、仕事や生活をエンジョイされているイメージがあります。
また、自然が美しく、環境を非常に大切にしているイメージを抱く方も多いでしょう。実際に、環境意識の高さが数字と実績に表れているのです。
廃棄物の50%が国内のエネルギーに
まず、国土の97%が居住者がいない土地です。また、自然保護のため、ヨーロッパで最初に国立公園を作ったのが、スウェーデンで、1909年のことです。そして、驚くべき点はゴミのリサイクル率の高さです。生活廃棄物の99%がリサイクルされているように、ほぼ全ての生活廃棄物がリサイクルされている国なのです。特筆すべき点は、その廃棄物の約50%が、Waste to Energyとよばれる焼却施設により燃やされて、エネルギーに変換されていることです。スウェーデン国内にはWaste to Energyが32ヵ所あり、周辺国から年間70万トンの廃棄物を輸入して、エネルギーに変えています。作られたエネルギーは国内に供給され、そのエネルギー量は、81万世帯分の熱と25万家屋分の電力に相当します。高効率な設備を保有しているということがわかります。
ちなみに日本の場合、環境省の一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成26年度)資料によると、リサイクル率は、20.6%です。トップは、人口10万人以上50万人見未満の東京都小金井市が49.2%、50万人以上の千葉県千葉市は32.8%。これらの数字と比較するとスウェーデンのリサイクル率の高さを実感できると思います。
日本でもごみ問題は頻繁に取り上げられますが、スウェーデンのWaste to Energyのシステムを導入できないものでしょうかね。
*スウェーデンが取り組んでいる環境対策や、さまざまな制度について、3回にわたってお伝えする予定でしたが、2回に変更となりました。
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【参照】
Freden J.「THE SWEDISH RECYCLING REVOLUTION」, September 24 2015 <https://sweden.se/nature/the-swedish-recycling-revolution/> (アクセス日:December 15, 2016)
Karwoski S.「SWEDES LOVE NATURE」, September 24 2015 <https://sweden.se/nature/swedes-love-nature/>(アクセス日:December 15, 2016)
「報道発表資料」, 平成28年2月22日, < http://www.env.go.jp/press/102117.html> (アクセス日:December 15, 2016)