総務省の報道資料から、開発・設計担当者にぜひ知っていただきたい電波法情報をピックアップし、専門家がそれぞれの要点をまとめて徹底解説します。
今回のピックアップはこちら。
総務省は2024年11月27日発表の報道資料で、省令案等に対する意見募集の結果および電波監理審議会からの答申を公示しました。 |
1. 電波法施行規則の一部を改正する省令案等に対する意見募集の結果及び電波監理審議会からの答申
-技適未取得機器特例制度への対象システム及び帯域の追加-
この発表は、技適未取得機器特例制度に、対象システムおよび周波数帯域を追加するために行われた規則改正に関する意見募集とその結果に基づく総務省の対応についての報告です。また、電波監理審議会からの答申内容も含まれています。
結論:
総務省は、2024年10月19日から11月18日にかけて意見募集を行い、9件の意見が提出されました。その意見を踏まえた上で、11月27日、電波法施行規則の改正案が電波監理審議会に諮問され、適当とする答申を受けました。この改正は、海外から持ち込まれる無線機器や実験に用いられる無線機器について、特例制度での利用可能な対象システムと周波数帯域を拡大する内容です。今後、総務省はこの答申および意見募集結果をもとに規定整備を進めていく予定です。
キーポイント:
背景 | 特例制度の対象拡大は、事業者からの要望に応え、無線設備の利用を柔軟化するための措置。 |
意見募集 | 2024年10月19日から11月18日の期間で意見を募集。9件の意見が提出された。 |
案の修正の有無 | 修正は無い。 |
答申 | 改正案が諮問され、適当とする答申が得られた。 |
出展元・参照リンク(総務省):https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban12_02000165.html
2. 電波法施行規則等の一部を改正する省令案等に係る意見募集の結果及び 電波監理審議会からの答申
-5GHz帯電波ビーコンの廃止に伴う制度整備-
この発表は、総務省が2.5GHz帯電波ビーコンの廃止に伴い行った意見募集と、その結果に基づく総務省の対応についての報告です。この改正は、VICSサービスの電波ビーコンが5.8GHz帯に統一されたことを受けた制度整備の一環です。
結論:
総務省は、2.5GHz帯電波ビーコンによる情報提供サービス停止を受け、関連する制度を整備するため、電波法施行規則等の改正を提案しました。2024年10月5日から11月5日の期間で意見募集を行い、1件の意見が提出されました。その後、同案を電波監理審議会に諮問し、原案通りで適当との答申を得ています。これにより、関連省令の改正が速やかに進められる予定です。
キーポイント:
背景 | VICSは複数のメディアを利用して交通情報を提供していたが、5.8GHz帯へ一本化が完了。 |
意見募集 | 2024年10月5日から11月5日の期間で意見を募集。1件の意見が提出された。 |
案の修正の有無 | 修正は無い。 |
答申 | 改正案が諮問され、適当とする答申が得られた。 |
出展元・参照リンク(総務省):https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban14_02000672.html
3. 電波法施行規則等の一部を改正する省令案等に係る意見募集の結果及び電波監理審議会からの答申
- 狭帯域直接印刷電信(NBDP)の一部削除等に伴う制度整備等-
この発表は、総務省が実施した「狭帯域直接印刷電信(NBDP)の一部削除等」に関連する制度改正の意見募集の結果と、電波監理審議会の答申についての報告です。この改正は、海上安全通信技術の進展に伴う規定の見直しを目的としています。
結論:
今回の改正省令案等は、海上通信技術や無線設備に関する国際基準への対応を目的としています。2024年10月24日から11月22日の期間で意見募集を行い、5件の意見が提出されました。改正案は電波監理審議会に諮問され、原案が適当であるとの答申を受けました。今後、総務省はこの答申を基に速やかに規定整備を進める予定です。
キーポイント:
背景 | 海上人命安全条約(SOLAS)や無線通信規則(RR)の変更に伴い、国内の電波法施行規則等の改正が必要とされた。 |
改正内容 | ・狭帯域直接印刷電信(NBDP)のGMDSS搭載要件からの削除。 ・新たなデジタル船上通信設備の導入(400MHz帯、12.5kHzチャネル)。 ・9GHz帯小型船舶用固体素子レーダーの技術基準策定。 |
意見募集 | 2024年10月24日から11月22日の間に行われ、5件の意見が提出された。 |
案の修正の有無 | 5ヵ所が修正の対象となる。 |
答申 | 改正案が諮問され、適当とする答申が得られた。 |
出展元・参照リンク(総務省):https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban15_02000286.html
4. 無線設備規則等の一部を改正する省令案等に係る意見募集の結果及び電波監理審議会からの答申
-吸収電力密度の許容値の導入等-
総務省は、無線設備規則等に関する改正案を作成し、吸収電力密度の許容値を導入するための意見募集を実施しました。この結果、7件の意見が提出され、それらに対する同省の考え方が公表されました。また、改正案は電波監理審議会に諮問され、原案を適当とする旨の答申が得られました。
結論:
本件の改正案は、電波利用の安全性を確保するため、最新の科学的知見に基づいて吸収電力密度の指針値を導入するものです。2024年9月26日から10月25日の期間で行われた意見募集では7件の意見が提出され、それを踏まえ総務省が対応方針を策定しました。この改正案は特に、6GHz~10GHz帯の周波数について人体への影響を評価する新しい基準と測定方法を含み、国際的動向を反映した内容です。電波監理審議会からは原案を適当とする答申を受け、今後速やかに制度整備が進められる予定です。
キーポイント:
背景 | 6GHz超の周波数帯に新しい吸収電力密度の指針値を導入することで、安全性を向上。 |
意見募集 | 2024年9月26日から10月25日の期間で意見を募集。7件の意見が提出された。 |
案の修正の有無 | 1ヵ所が修正の対象となる。 |
答申 | 改正案が諮問され、適当とする答申が得られた。 |
出展元・参照リンク(総務省):https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban16_02000354.html
5. 電波法施行規則等の一部を改正する省令案等に対する意見募集の結果及び電波監理審議会からの答申
-搬送ロボット用ワイヤレス電力伝送システムの導入等のための制度整備-
この発表は、総務省が発表した搬送ロボット用ワイヤレス電力伝送システムの導入を目的とした電波法施行規則等の一部改正、および空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムのうち、2.4GHz帯および5.8GHz帯を使用するものについて、特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の一部を改正する省令案を作成しました。に関する省令案の進展を報告するものです。意見募集の結果、関係規定整備を迅速に進める予定が示されました。
結論:
総務省は、搬送ロボット用ワイヤレス電力伝送システムの導入に向け、制度整備を進めています。このシステムは、6.7MHz帯の周波数を利用した電界結合方式を採用しており、労働力不足への対応や物流効率の向上を目指しています。また、空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムのうち、2.4GHz帯および5.8GHz帯を使用するものについて、今後の更なる普及を見据え、特定無線設備に追加するため、特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の一部の改正を進めています。
2024年10月16日から11月14日の期間で行われた意見募集では11件の意見が提出され、それらを検討した結果、省令案は適当であるとの電波監理審議会からの答申を受けました。今後、総務省は意見募集の結果と答申に基づき、速やかに必要な規定の整備を行う予定です。
キーポイント:
背景 | 搬送ロボット用システムの普及を促進するため、電波法施行規則や技術基準適合証明規則の一部改正が提案された。 |
意見募集 | 2024年10月16日から11月14日の間に行われ、11件の意見が提出された。 |
案の修正の有無 | 5ヵ所が修正の対象となる。 |
答申 | 改正案が諮問され、適当とする答申が得られた。 |
出展元・参照リンク(総務省):https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban16_02000353.html
6. 無線局(基幹放送局を除く。)の開設の根本的基準等の一部を改正する省令案等に係る意見募集の結果及び電波監理審議会からの答申
- 衛星コンステレーションによる携帯電話向け2GHz帯非静止衛星通信システムの導入に向けた制度整備 -
この発表は、携帯電話向け2GHz帯非静止衛星通信システムの導入に向けた制度整備に関する省令案の意見募集とその結果、さらに電波監理審議会からの答申内容を取りまとめたものです。この制度整備は「衛星コンステレーション」の技術を活用し、次世代通信技術の基盤を整備することを目的としています。
結論:総務省は、携帯電話向け2GHz帯非静止衛星通信システムを導入するため、無線局の制度を見直す省令案を作成しました。この案に対する意見募集を2024年10月12日から11月11日の期間で実施し、その結果に基づき、電波法に基づく部分について電波監理審議会に諮問しました。同審議会は原案を適当と判断する答申を行いました。今後、これらを踏まえて迅速に関連規定の整備を行う予定です。これにより、衛星コンステレーション技術を活用した高度な通信インフラが期待されます。
キーポイント:
背景 | 衛星コンステレーションによる非静止衛星通信技術を携帯電話向けに導入するための制度整備が計画されている。 |
意見募集 | 2024年10月12日から11月11日の間に行われ、13件の意見が提出された。 |
案の修正の有無 | 5ヵ所が修正の対象となる |
答申 | 改正案が諮問され、適当とする答申が得られた。 |
出展元・参照リンク(総務省):https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban15_02000285.html
これらの省令案が公示される際は、本ブログで、ご報告いたします。
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更新日 :12/19/2024