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電波法認証エキスパートインタビュー:豊富な知識と経験で、メーカーの開発部門、研究機関、商社をサポート

Posted by TUV Rheinland Japan on 2019/04/08 13:32:10

無線機能は、情報通信機器のみならず、情報家電など幅広い分野の製品に搭載されるようになり、無線に関わる認証はますます重要になっています。無線製品の利用には、利用するそれぞれの地域・国の電波に関する法律に適合する必要があります。

今回は、日本の電波法認証のエキスパートである、テュフ ラインランド ジャパン 製品部 電気製品課 通信機器 シニアプロジェクトエンジニア 堀口 義則に、電波法認証についてインタビューしました。

Horiguchisan1.2――― 電波法とはどのような法律ですか。

堀口 電波は公共の資源であり、電波の公平かつ能率的な利用、電波の利用による福祉の増進を目的として、電波法が制定されています(※1)。無線通信の混信や妨害を防ぐため、日本で電波を発する無線設備を利用するためには、この法律に従う必要があります。
(※1)電波法では、3,000GHz以下の電磁波を電波と定義しています。


――― 電波法認証について教えてください。

堀口 電波法の認証区分として、技術基準適合証明と工事設計認証があります。技術基準適合証明は、デモやサンプル用途など、少数の無線設備の認証が必要な場合に取得します。これに対して工事設計認証は、多くの無線設備を量産するような場合に取得するものです。

技術基準適合証明の審査は、工事設計の審査、対比照合審査、特性試験(周波数偏差、占有周波数帯幅、空中線電力、など)ですが、工事設計認証の場合は確認の方法の審査も加わります。


――― 電波法認証を取得する必要があるのは、どのような方々でしょうか。

堀口 技術基準適合証明は、海外で流通している機器を日本国内に持ち込んでデモ展示したいと考える商社、あるいは試作機による実力評価をしたいと考える国内の研究機関およびメーカーの開発部門が取得するケースが多いように思います。

一方の工事設計認証は、国内外を問わず、多くの無線設備を量産している無線機器メーカーが取得しています。


――― 電波法認証を取得するお客様から、どのようなご相談を受けますか。

堀口 海外で流通している無線設備を輸入販売したいお客様からは、オリジナル仕様のままで認証を取得できるるか(オリジナルの仕様を満たす特定無線設備(※2)が日本に存在するか)、というお問い合せをよくいただきます。

これに対して、研究機関や開発部門からは、お客様が研究や開発の対象とする無線設備の仕様に関わる質問、つまりは対象とする特定無線設備の技術基準や試験方法に関するお問い合せをよくいただきます。

いずれにしても、どのような特定無線設備が存在しているのかを知っていただく必要がありますので、総務省の下記サイトをご紹介しています。

【特定無線設備、特別特定無線設備一覧】
https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/equ/tech/type/index.htm

(※2)特定無線設備:技術基準適合証明制度が適用される小規模な無線局に用いる無線設備で、テュフ ラインランド ジャパンのような総務大臣の登録を受けた登録証明機関が審査・証明を行う。


――― テュフ ラインランド ジャパンの電波法認証の強みを教えてください。

堀口 お客様の製品、使用用途、またご要望を丁寧にヒアリングし、適切な試験・認証をご提案しています。

お客様からのお問い合わせ内容が、上述した特定無線設備に相当する場合は、用途に応じて技術基準適合証明か工事設計認証のいずれかをご案内しています。そして、認証取得を希望される無線設備がFMトランスミッタやICカード機能などを搭載している複合機の場合は、微弱無線や高周波利用設備の試験などもご案内しています。

無線局の免許取得代行サービス
研究開発では特定無線設備に相当しない無線設備の運用を望まれる場合もあります。そのような場合は、技術基準適合証明や工事設計認証などの技術基準適合証明制度が適用されないため、この制度による法的なメリット(簡易な免許制度や免許不要などの措置)を受けられず、総務大臣より無線局の免許を受け、無線局として開設しなければなりません。テュフ ラインランド ジャパンはそのような無線局の免許取得代行サービスも提供し、昨今では災害用ロボットやドローンなどに向けたサービスを多く手掛けています。

登録修理業者制度に基づく「修理の確認」の特性試験
他の登録証明機関が提供していないサービスとしては、登録修理業者制度に基づく修理の確認の特性試験サービスがあります。こちらは駅前などに多くあるスマホの修理業者が、電波法で定める登録の基準に適合する場合には、総務大臣の登録を受けられるという制度(2015年4月1日より施行)で、修理業者が登録申請する際には携帯端末機器の無線特性試験をしなければなりません。テュフ ラインランド ジャパンは、通常修理業者では出来ないこの特性試験も提供しています。

無線機器の試験や認証でお困りのことや、ご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせいただければと思います。


Horiguchisan2.2――― 最後に、堀口さんは、第一級陸上無線技術士、第一級海上無線通信士、航空無線通信士、第一級アマチュア無線技士の資格をお持ちですが、これらはどのような資格ですか。

堀口 電波法の第二条第五号で「無線局」とは、無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体をいう、と定義されています。この「無線設備の操作を行う者」の資格が無線従事者免許であり、様々な種別の無線設備を運用するにあたり必要となるオペレーターズ・ライセンスです。

無線従事者の資格は、陸上、海上、航空、またこれらを統合した総合とアマチュアの5つの種別に分類されています。身近な用途としては、陸上では防災無線や警察によるスピード違反の取り締まり、それからテレビ局や携帯電話の基地局などがあります。海上では船用のレーダーから大型客船が使用する各種通信機器(衛星通信を含む) などがあり、航空では旅客機の誘導用通信機器や管制塔との交信用機器などがあります。

無線の認証業務に携わる者は第一級陸上無線技術士の有資格者が多く、その他の資格を取得する必要はありません。しかしながら、無線設備は船舶にも航空機にも搭載され、使用目的や運用方法が異なります。よって、資格取得はこれら機器に適用される技術基準や法規を知る上でも貴重な機会になると考えています。


堀口 義則
テュフ ラインランド ジャパン 製品部 電気製品課 通信機器
シニアプロジェクトエンジニア
東芝の家電技術研究所でアナログICの研究開発に従事しながら、Official ReviewerとしてBluetooth SIG活動に参加。2000年に国内初となるBluetoothの技適認証を取得。その後Intelに移り、国内初となるUWB機器の実験試験局免許を取得。その後ST Microelectronics、NECエレクトロニクスなどを経て現在に至る。

お問い合わせ:カスタマーサービス(TEL: 045-470-1850 E-Mail: info@jpn.tuv.com

Topics: 通信機器, tuv.communication, 無線, IT機器, エキスパートインタビュー, 電波法