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自動運転車の意識調査(独、中国、米国)

Posted by TUV Rheinland Japan on 2018/03/09 13:55:43
TUV Rheinland Japan

テュフ ラインランドは、このたび自動運転車の安全性に対する消費者の意識を把握するため、グローバル調査を実施しました。

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テュフ ラインランドは、このたび自動運転車の安全性に対する消費者の意識を把握するため、グローバル調査を実施しました。中国、ドイツ、米国各国で、18歳以上の運転免許保有者1,000人以上を対象に調査を行ったところ、中国では完全自動運転車の技術に対する信頼の高さが他2ヵ国の倍近い結果となりました。回答者の中で、無人運転車によって交通安全性が向上すると考える人の割合は、米国とドイツが34%であるのに対し、中国は63%を超えています。


回答者間で差が見られなかったのは、データ保護を重視する度合いと、自動運転車のサイバー攻撃対策に万全を期してほしいという要望の強さでした。また、どの国のドライバーも、自動車が自律的に運転するタイミングと人が自動車を制御するタイミングをドライバー自身が決定できることを望んでいます。

「自動運転車が交通安全性を総合的に向上させる」と回答者は認識

「運転の自動化により交通安全性が向上する」という考えには、回答者は概ね同意していますが、安全性が向上すると考える人の割合は、ドイツと米国に比べて中国で高くなっています。ただし、興味深いことに、車両の自動化のレベルが上がるほど、人々の懸念も高まり、技術に対する信頼が低下するという傾向があります。

回答者のうち、「部分的な自動化」による「交通安全性の低下」を懸念する割合はドイツではわずか11%、米国でも15%にとどまっているのに対し、完全無人運転車の登場により交通安全性が低下すると考える人は、同じ回答者の半数近くにのぼっています。中国では、無人運転車により交通安全性が低下すると予想している人は、24%に過ぎませんでした。

「中国、ドイツ、米国の多くのドライバーが共通して、自動化レベルが上がることで交通安全性が低下するという考えを持っているのであれば、我々はさらに多くの情報を人々に提供し、自動化技術のメリットをより明確に伝えていかなければなりません」とテュフ ラインランドのモビリティ担当上級副社長Dr.マティアス・シューベルトは述べています。

このグローバル調査の結果は、テュフ ラインランドが2017年春にドイツで実施した自動運転に関する同様の意識調査と似たような傾向を示しています。前回の調査では、回答者の75%が自動運転車技術を概ね肯定的に捉えていたものの、詳細に見てみると、技術の導入に対しては依然として多くの懸念があることが明らかになっていました。

今回の調査では、全回答者の78%が、「緊急事態が発生した場合には、どの時点でも人が車両を完全に制御しなければならない」という考えに同意しています。その割合は、中国よりもドイツと米国で高くなっています。

 

サイバー攻撃対策が、技術に対する信頼の指標に

自動運転車を取り巻くサイバー犯罪に対する懸念が、世界のドライバーの間に広がっています。特にドイツではこの傾向が高く、回答者の実に76%が、自動運転車の使用により個人データが漏洩する恐れがあると感じています。他2ヵ国では、米国が67%、中国が63%となっています。3ヵ国全ての回答者が同様に、「自動運転車では、技術的な手段やデータの窃盗によって他者が車両にアクセスするため、自動車関連犯罪が増加する」と懸念しています。この項目では、米国の数字がやや高く、52%の人が「そう思う」と回答していました。

 

自動運転車の使用により個人データが漏洩する恐れがあると感じている。

中国63%、米国67%、ドイツ76%

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過半数の回答者が、「交通安全性やサイバー攻撃対策を徹底するため、未来の自動車システムは定期的かつ自動的に更新を行うべきだ」と考えています。中国では、回答者の80%が「OTA(Over the Air)アップデート」(無線通信を介したアップデート)を支持しています。米国での支持率は68%、ドイツでは64%でした。

 

未来の自動車システムは無線通信を介したアップデートをすべき

中国80%、米国68%、ドイツ64%

 

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 何より、3ヵ国全てでサイバー攻撃対策は非常に重視されており、過半数の回答者(ドイツ66%、米国61%、中国60%)が、ハッカー攻撃被害を受けていることが明らかになった場合には「別のメーカーの車に替える」としています。これについては、不正アクセスを防御できる自動運転車の開発に関して、メーカーの能力を信頼する傾向が高いのは、中国の消費者でした(71%)。ドイツでは、2017年春の調査と比較して、肯定的な意見が大幅に増加しています(55%)。前回ドイツでは、メーカーの能力を信頼している回答者は47%にとどまっていました。米国では、「自動車メーカーはサイバー犯罪を防御する自動運転車を製造できる」と信頼している人の割合が最も低く、わずか41%となっています。

 

データ保護と同様に、データ収集も必要

現在、ほとんどのドライバーは、最新の自動車でデータが記録され自動車メーカーに送信されていることを知っています。これには、車両状況のデータ(走行距離、エラーメッセージなど)のほか、車両移動データ(速度、位置など)、あるいは運転スタイルやシート調整位置といった個人固有のデータが含まれます。この件に関して、ドライバーは十分な情報を得ていると感じているのでしょうか。ここでは、3ヵ国の間で非常に大きな差が出ています。米国では、回答者の55%が、どのデータが何の目的で使用されるのか、誰がデータにアクセスできるのか、データがどの程度保護されているのかについての「情報が少ない」と回答しています。また、ドイツでも、52%が同じ回答をしています。しかし、中国では、情報が不十分だと感じている回答者の割合はわずか15%という結果でした。

 

自動車メーカーに送られる自動車に記録されたデータは車両状況のデータの他、車両移動データの他運転スタイルやシート調整位置といった個人特有のデータも含まれるということを十分情報を得られていない

中国15%、米国55%、ドイツ52%

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全ての回答者にとって、データ共有の最大の目的は安全です。3ヵ国全てで、自分のデータを故障対応サービス、自動車保険会社、検査機関、自動車メーカー、国家機関が利用できることを希望するドライバーは30~50%に達しています。しかし、サービスおよびモビリティ事業者、特定のデータアプリプロバイダー、自動車部品メーカー、自動車販売店、ガソリンスタンドなどのインフラ事業者に対するデータの送信について希望するドライバーは少数でした。

 

なお、中国では71%の回答者が、更新や新サービスの利用(駐車場案内のようなテレマティクスサービスなど)を目的として、自分のデータを提供することに肯定的でした(ドイツ45%、米国42%)。

更新や新サービスの利用を目的として、自分のデータを提供することに肯定的か。

中国71%、米国42%、ドイツ45%

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行政や業界リーダーは課題解決が必要

今回の調査によって明らかになったドライバーの意識には、自動運転車受け入れの支障となったり、普及の大きな障害となる可能性があります。このような障害を取り除くため、特に行政や業界リーダーは課題を解決していく必要があります。ドイツでは、調査回答者の半数以上(53%)が、最も重要なこととして、ドライバーが常に車両を完全に制御できることを挙げています。さらに、49%の人は法的状況を明確化する必要性があると感じており(責任の所在に関する問題など)、37%の人は適切な枠組みを通じてデータ保護が徹底されることを求めています。米国の回答者では、ドライバーが車両を完全に制御する選択肢を常に持っているということが最優先事項になっています(47%)。僅差で2番目となったのは、試験による機能安全の証明です(45%)。続く3番目は、不正アクセスから車両を保護することでした(43%)。中国の回答者では、個人データのバックアップが最重要事項となっており(43%)、データ保護の徹底(40%)や不正アクセスからの車両の保護(36%)よりも、さらに重視されています。

 

自動運転という面における自動運転車の安全性に関するテュフ ラインランドの調査は、インターネットでのパネル調査により、2017年9月に実施されました。この調査では、18歳以上で運転免許を保有している中国、ドイツ、米国各国の約1,000人の代表サンプルを対象として、テュフ ラインランドが意識調査を行いました。テュフ ラインランドは、2017年の春にも自動運転車に対する意識調査をドイツで実施しており、この種の調査は今回が2回目となります。

(本資料はテュフ ラインランドドイツ本社が2018年2月15日に発表したプレスリリースから編集したものです)

 

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