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海外出張 ✖ アムステルダム・マラソン

Posted by TUV Rheinland Japan on 2017/12/01 12:25:54
TUV Rheinland Japan

テュフ ラインランド ジャパン、運輸交通部の検査官によるエッセイをお届けします。「tuv.communication20156号」の「新宿910」というコラムで、初マラソン完走の様子をご紹介した筆者が、10月にアムステルダム・マラソンを完走しました。

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いよいよだ。胸の鼓動が聞こえる。

北海から吹く風が煉瓦造りのスタジアムを吹き抜け、観客席からは鳴り止まぬ声援が青空に響き渡る。そして更に歓声が上がり、スタートの合図が鳴る。フルマラソンの幕が切って下ろされたのだ。

いつも一人の我が旅(出張とも言う)。今回はオランダ。2週間の予定。そしてついでに、オランダはアムステルダム・マラソンに挑戦してきた。10月も半ばだというのに当日は20度と暑かった。海抜以下なのだからコースはフラット。アムステル川沿いは少し風があったが、周りは2メートル級の巨人だらけなので、風除けにはピッタリ。

沿道から 「ヒロォ~キ ⤴ ゴーゴー」 の声援が飛び交い、極東からきたおじさんはなんだか大人気。ゼッケンにある名前(HIROKI)を見て応援してくれているのは嬉しいのだが、歩いていると叱られた。

トラムの線路ときたらとっても厄介。縦横無尽には走るトラム。線路は皆さんご存知の出っ張りで、足の短い極東のおじさんにはいちいち超えるのに障害物競走のような苦労を要した。でも、いくつも超えるうちに、なんとかテクニックを習得。関心したのは、身長が2メートルあると体重が普通に100キロはある。でも、ちゃんと皆さん42kmを普通に走るのだ。歩幅が違うんだろうなぁ・・・・。

コースはオリンピックスタジアムから始まり、終わる。プロのランナーの気分を味わえるのだ。90年前に開催されたアムステルダムオリンピックの趣あるスタジアムがスタートの背中を押し、そして、ゴールとしてランナーを待ってくれているのだ。待ち受ける人々もランナーも、その風景とマラソンを楽しんでいる。

ゴール後のシャワーは戦場。15,000人以上の参加者のために用意されたのは、狭い部屋に仕切りもないシャワーが6個だけ。極東の小人は巨人をかき分け、なんとかシャワーを奪うことに成功。レース後はビールが一層美味しかったのは言うまでもない。

遠く日本の家族は、自宅のソファに座りながら応援してくれたようだ。今時は腕時計のGPSから刻々とデータがネット上に送られ、ライブで地図上で軌跡が見えるのだ。

スタート前、日本の娘から携帯に着信があった。日本からの応援はやはり嬉しい。走り出したきっかけは、娘であった。当時、不登校だった娘に言葉で諭すより何かを自分が追求することで、道を示し伝えようと思ったのだろう。時折ジョギングをしていた気持ちが真剣なランニングへと変わっていった。

走り初めて4年になる。 三日坊主の私がいまだに続いている。

メールに追われる昨今、海外に出張していても、常に日本からの連絡で埋め尽くされたPCとの戦いの毎日になるのだが、海外の街を早朝にジョギングできるとその疲れも吹き飛ぶというもの。

国内でのマラソンは数ヵ所で出場しているが、海外は初である。ヨーロッパでは、日本と同様に秋はマラソンシーズンで、各都市で開催している。いつか自分の出張と合う日がくると信じ、会社のOutlookにヨーロッパ中のマラソンの日程を入れている小生。そして念願叶い、今回、運よく出張日程と合い、参加となった。

天候が分からずたくさんの厚手と薄手のウェアを用意したので、スーツケースが激重!当日にゼッケンを受け取る事もできたが、万全を期し、前日にゼッケンを受け取った。日本と同様に、前日にマラソンイベントが開催され、たくさんのショップを見て回った。なんと、シューズに装着し、加速度やら減速度が計測できる端末を買ってしまった。常日頃からマラソングッズをネットで調べている私としては、日本にはない商品だというのは知っていたが、それにしても売り子のおじさんの「日本人初のユーザーの認定を受けられるよ」の言葉に騙された感がある。

オランダといえば・・・・・そう、自転車。

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老いも若きも超高速で走っている。日本のようにゆっくり走っている人などいない。それは全ての道路に自転車専用道が整備されていて安全だからである。しかし、そういう道路事情に慣れていない極東からきたおじさんは、よく轢かれそうになったり、注意されたりして大変(汗)。

そしてオランダ人は、休みといえばヨーロッパ中をキャンピングカーで回ることが好き。現地で一緒に仕事をした若いオランダ人も、中古のキャンピングカーを買ったばかりで、旅行計画を聞いて一緒に盛り上がった。彼は車が好きで、特に中古市場にとても詳しいのだが、彼いわく、ヨーロッパでは今、ドイツの中古車が一番人気だとか。それは一番装備が良いからだそうで、ドイツだけたくさんの装備を付けた仕様があり、他国にはないからだそう。もちろん、隣とはいえドイツからの輸入になるので税金などで割高になるらしいが、それでも他のヨーロッパ諸国が羨む装備を積んだドイツ車は、それだけの魅力があるのだろう。

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さて、ユトレヒトの街でオランダ人の友人と飲む機会があった。ユトレヒトはオランダの真ん中に位置し、交通の要衝。街のサイズの割に駅は巨大でホームがたくさんある。今回、首都のアムステルダム、真ん中のユトレヒト、南のアイントホーフェンに訪れたが観光なら断然ユトレヒトがお奨め。昔ながらの運河が残り、背の高いゴシック建築の美しい教会。そして良さそうなレストランも豊富。大学があるので若者もたくさんいるが、街並みは落ち着きがあり、とても綺麗だ。

オランダ人は、毎日6時に必ず家族と夕食をとるのだそうだ。だから残業する人はいない。従って、飲みに行くのは家族との夕食の後。ユトレヒトに教会を改装したビアホールがあり、そこで飲むことになった。ことさらに美味しく、澄んだ味に感じたのは、その荘厳な空間のせいであろう。写真は、その教会ビアホール。アイントホーフェンは、フィリップス創業の地で本社がある。他にもトラックのDAF、半導体のNXPが有名。ちなみに小生は今回、主にこの街に泊まり仕事をしていたのだが、もちろん仕事に邁進していたために、ここでの観光は断念。

小生にとって30年ぶりのオランダ。若い頃とは違う私の目で見たオランダは、変わらず綺麗で過ごしやすく、長い付き合いのドイツと比べても負けずとも劣らずといったところだった。誰もが英語で話してくれるのと、電車が定刻に来るのはドイツよりも上()

さて、今度はどこの地で走るかな・・・あ、いやいや、次の出張はどこかな~

小生の旅はまだまだ続く。

筆者 運輸・交通部 技術・型式認証課
大城 浩貴